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沖縄県の離島でICT活用の動きが加速、宮古島ICT交流センターが後押し
2019/11/16 09:00
沖縄本島から300km離れた宮古島は、人口約5万人、島の外周はクルマを使うと1時間ほどで回れる小さな島だ。宮古島に限らず、地方では人材不足、特にICTに関する人材が不足している。地域課題をICTを使って解決したくても、その担い手がいないのが現状だ。
宮古島では地域の課題を洗い出し、それらを解決するICTを開発し、またICTを使いこなせる人材の発掘、育成で都市部のICT企業と地元の企業、住民を結びつける拠点として宮古島ICT交流センターを設立した。センターは、定期的にICT企業と地元の人たちとの交流を図るためのイベントを開催していく。
10月29日には、開所から2回目となる交流会「オープニングイベント~離島の未来にICTを~」が開催された。開所して間もないこともあり、まずは沖縄県、宮古島の現状を宮古島ICT交流センターに入居した企業に伝え、一方、センターを利用するICT企業はこれまでどのような取り組みを行ってきたのか、宮古島での活動計画など、情報を交換するイベントとなった。
まず、宮古島市のIT担当者として、宮古島市企画政策部の友利克部長から、宮古島ICT交流センターに対する期待などについてコメントがあった。なお、当日は病欠のため、代読する形となった。友利部長は、「宮古島市は多くの課題を抱えている。これを目覚ましい発展を遂げているICT、例えばIoT技術やAIなどを活用して解決に向けて進めていきたい。交流センターのオープンはその第一歩だ」とコメントした。
宮古島ICT交流センターの今後の運営については、「県内外の企業と地元住人、地元企業を結びつける役割を持っている。今回のような、情報を交換できるイベントを今後も開催していきたい」と意欲を示した。
また、沖縄県側も、宮古島ICT交流センターには大きな期待を寄せている。沖縄県企画部 地域・離島課 離島振興班の本永哲班長は「ICTか離島の不利性を解消する強力なツールだと考えている」と話す。沖縄県でもICTを活用するため、今年度から「離島テレワーク人材育成補助事業」を展開している。
離島テレワーク人材育成補助事業は、石垣島、渡嘉敷島、久米島の3島を対象に行っており、「副業としてクラウド上にある仕事を住民にやってもらっている。例えば記事を書くライティングや写真のタグ付けなど、少し研修をすれば誰でもできる仕事だ。こうしたことから始め、人材を育成していく」と本永班長は説明する。
今年度の事業対象エリアに宮古島は入っていないが、「事業を継続し、来年度は対象エリアを拡大していきたい」と本永班長は話す。宮古島が対象エリアとなれば、この宮古島ICT交流センターが重要な拠点となるだろう。
宮古島市、沖縄県はともに人材育成などICTを活用するのに必要な土壌作りを行い、ICT企業を支援する体制が整いつつあることを強調した。
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