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IT領域で障害者雇用拡大を目指す、国内初のIT特化型就労移行支援事業所開設

2019/11/07 14:00

 総合人材サービスのパーソルホールディングス(水田正道CEO)で障害者雇用支援事業を手掛けるパーソルチャレンジ(井上雅博代表取締役)は、先端IT領域で障害者の職域拡大と活躍を支援するため、国内初となる先端ITを学べる就労移行支援事業所として「Neuro Dive(ニューロダイブ)」を11月1日に開設した。

厚生労働省 平成30年(2018年)
障害者雇用状況の集計結果

 障害者雇用の拡大により、障害者の社会進出や就業機会は増えているものの、高い職務能力や知的能力を生かして貢献・活躍できる職域はいまだ限られており、障害者が希望する職業に就くための環境整備は十分に整っていない。その一方で、データサイエンス、AI・機械学習といった先端IT領域では人材不足が課題となっている。統計では2019年現時点で約1.5万人、20年時点では約4.8万人にまで労働力不足が拡大する見込みだ。
 
経済産業省 平成28年(2016年)6月
「IT人材の最新動向と将来推計に関する調査結果」

 この二つの課題を解決するため、パーソルチャレンジはNeuro Diveを通じて、障害者の新たな職域拡大、活躍機会の創出と、ニーズが高まる先端IT領域における人材育成を支援する。

 Neuro Diveでは、世界で3000万人以上が利用する世界最大級のオンライン動画学習サービス「Udemy」を活用し、データサイエンスやビジネスデータ分析、統計学、データ可視化や応用方法など、先端IT領域で必要なスキルを習得する。

 また、サイバーセキュリティ人材育成カリキュラム「Cisco Networking academy」を使い、サイバーセキュリティの基礎知識や実践的な対策、解析方法を学ぶことができる。利用者は、毎月更新される3000以上の講座の中から選択し、自分のペースで学習を進めることができる。さらに疑問点は、講座の開設者や支援員に質問することができる。

 このほか、パーソルチャレンジの就労移行支援事業「ミラトレ」や、発達障害の特性がある学生向けコミュニケーション支援プログラム「CSP」で培ったノウハウをもとに、自己分析やセルフコントロール、実践的なビジネスコミュニケーションスキルなど、はたらく上で求められる基本的な資質(職業準備性)を高めるプログラムも提供する。

 パーソルチャレンジは、国家資格を保有し、障害者の就職支援に精通したキャリアコンサルタントと、先端IT領域に精通したテクニカルスタッフを配置。一人一人の特性や意向に合ったスキル習得計画を立て、就職とその先の活躍を見据えた支援を提供していく。利用者を採用した企業に対しては、卒業生一人一人の特性や能力、必要な配慮やマネジメントのポイントなど、尖った能力を生かして長く活躍できるための情報提供や助言を行っていく。
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外部リンク

パーソルホールディングス=https://www.persol-group.co.jp/

パーソルチャレンジ=https://challenge.persol-group.co.jp/