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VRを活用したワクチン製造トレーニング、武田薬品がNECのソリューションを導入
2019/08/30 12:10
ワクチン製造では、プロセスの自動化が進んでいるものの、まだ手作業に頼らざるを得ない繊細で慎重さを要するプロセスも存在する。こうした製造作業にはワクチンに関する知識に加え、正しい無菌操作の習得が必要で、その人材育成には多くの時間を要していた。
武田薬品では、ワクチン製造にかかわる人材の確保と人材育成、トレーニング時間の確保が課題となっていた。さらにトレーニングは無菌室内で行うため、ワクチン製造中は無菌室でトレーニングを行えず、ワクチンの製造と人材育成の両立が課題となっていた。
VRトレーニングソリューションでは、無菌室内の設備である安全キャビネットや細胞培養に使用する細胞培養用フラスコ、電動ピペッターといった専用の器具を用いた無菌操作を仮想空間内に再現する。培養細胞や培養液、ボトル・細胞培養用フラスコ・ピペットといった器具と作業者の手の位置・角度・接触などの状態から「(無菌操作に好ましくない)コンタミネーションリスクの高い操作」を抽出して作業の正確さをチェックする。これらのチェックポイントは、人間工学に基づいた遵守事項に抵触する行為を、NECソリューションイノベータが体系化したもの。
20種の遵守事項に抵触する全260ケースを検出し、コンタミネーションリスクとなる部位や原因の説明、適切な対処方法や回避方法を作業者に提示する。VR空間で実環境を再現することで、トレーニングの場所、時間の課題を解消できるだけではなく、指導者がいなくても訓練者自身で無菌操作の作業中の遵守事項を確認できる利点もある。
また、これまで熟練者が経験に基づいて判断していた部分をVRトレーニングの遵守事項に反映させることで、客観的にトレーニングの効果を測定できるようになった。さらに、トレーニング時に用いる溶液や資材についても、廃棄量を削減できる。
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