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ごみの分別にITを活用 “中国史上最も厳しい措置”を支援
2019/08/08 09:00
週刊BCN 2019年08月05日vol.1787掲載
上海市の分別項目は、資源ごみ(紙、段ボール、プラスチック類、金属、ガラス製品等)と有害ごみ(乾電池、薬品等)、湿ったごみ(生ごみ)、乾燥ごみ(生ごみ以外の燃やせるごみ)の4種類。決められた時間にごみを排出する必要があり、規定に違反した場合、個人には最高200元(約3000円)、企業には最高5万元(約78万円)の罰金が科せられる。条例は観光客にも適用される。
新たに条例ができたことで、今まで分別をしていなかった市民の間では混乱が広がった。「ブタが食べられるものは湿ったごみ。食べられないものは乾燥ごみ。売ったお金でブタが買えるものは資源ごみ。食べたブタが死ぬものは有害ごみ」と独自の指南が流れた。しかし、分別について市民が理解しているとはいえない状況だ。指定の収集場所では、専門の監視員が目を光らせ、ごみ袋を開けさせて分別状況をチェック。ごみが混在していることが発覚すると、その場で再分別させる動きもある。
ITの社会実装に積極的な中国では、大手IT企業を中心に新たなサービスを展開している。中国の阿里巴巴集団(アリババグループ)は、条例が施行される前の6月28日、モバイル決済サービス「支付宝」(アリペイ)やECアプリ「陶宝網」などで、分別項目をAIによる画像認識で判断するサービスの提供を始めた。
サービスでは、アプリ上でごみをスキャンすると、分別項目が表示される。見つからない場合は、ごみの名前を入力して検索することも可能。さらに、分別ごみ回収代行業者と提携しており、利用者はアプリ上で回収を依頼することもできる。現在、4000種類以上のごみをカバーしており、利用者数は200万人以上という。
一方、華為技術(ファーウェイ)は7月1日から、音声のやりとりで細かく分別を指導するAIアシスタントサービスをリリース。2017年に設立した小黄犬(広東省東莞市)は、IoT技術を活用したスマートごみ箱の事業を展開している。
このほか、四川省や江蘇省、山東省でも、ごみに焦点を当てた取り組みが始まっており、ごみの分別がほかの都市でも始まれば、IT企業の競争は激しくなりそうだ。
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