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モノづくりからソリューション提案へ 第2中期経営計画の方針を発表――セイコーエプソン
2019/03/14 12:00
週刊BCN 2019年03月11日vol.1767掲載
同社は25年の在るべき姿を描いた中期ビジョン「Epson 25」を掲げている。その第1中期経営計画は16年度にスタートし、インクジェット、ビジュアル、ウェアラブル、ロボティクス」の四つの領域に分け、取り組んだ。
主軸となるのがインクジェットプリンター事業だ。17年6月に成長の核となる高速インクジェットプリンター「LX-10000Fシリーズ/7000Fシリーズ」をリリース。販売体制を整え、印刷性能や消費電力、消耗品の交換頻度の低さなど環境性能を訴求することで販売台数を伸ばしている。商業・産業印刷分野では、欧州に加え日本でもインクジェットデジタル機の製造を開始。グローバルの販売、サービス体制の構築を進めている。大判インクジェットプリンターでは設置性や使い勝手を高めたモデルを投入し、ラインアップの拡充を図った。
各領域の販売拡大に備えた生産体制の整理も進めてきた。長野県・広丘事業所では昨年6月末にプリントヘッドのコアとなる構成部品「PrecisionCoreプリントチップ」の生産工場が完成。これにより生産能力を約3倍に拡大した。さらに、大判プリンター向けの「PrecisionCoreプリントヘッド」の外販をグローバルで展開した。豊科事業所では、ロボットの組み立てラインを設置し、ロボットの増産体制を整えた。9月には大判プリンターの開発拠点として広丘事業所内のイノベーションセンターB棟の建設がスタート。19年度末に完成予定で、デモセンター、ソリューションセンター、開発センターの役割を担う設備となる。
こうした体制を整え、第2中期経営計画では品質、性能、納期、コストも含めた製品サービスによってイノベーションを加速させるとともに、ソフトウェアやITの強化を推し進め、顧客課題に向き合ったソリューション提案に取り組む。
碓井社長は「競合他社との競争に明け暮れるのではなく、常に顧客の期待を超える新しい価値を提供し、感動してもらえるエプソンでありたい」と意気込みを語った。(山下彰子)
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