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盛り上がる中国の製造業向けビジネス 日系企業にも商機
2018/11/01 09:00
週刊BCN 2018年10月29日vol.1749掲載
「中国は、新しい産業革命への転換を重視している」。10月11日、江蘇省南京市で開かれた「世界スマート製造大会」。中国工業信息化部の辛国斌副部長は、大勢の参加者に向けてこう呼び掛けた。
3回目を迎えた大会には、中国や日本、欧米から企業関係者や専門家が参加した。会期中は、製造業のスマート化に関する世界の動向のほか、AIやブロックチェーンといった技術の活用などが紹介された。
中国は現在、国家戦略「中国制造2025」を定め、製造業の発展に注力している。大会で発表された「中国スマート製造発展年度報告」によると、関連の市場規模は、2016年が前年比118.4%の1060億元(約1兆7000億円)で、20年には2200億元に達する見通しだ。
大会では、AIやブロックチェーンなどと並び、RPAに高い関心が集まった。ソリューションをテーマとするフォーラムでは、KDDI上海の守岡純治SL企画部部長が登壇。同社のソリューションを導入した中国企業で、年間合計削減時間が10万時間に上ったことなどを示し、「最近は中国でもRPAが注目されており、導入はこれから本格化するだろう」と期待感を示した。
一方、政府の方針に合わせた動きも出ている。上海智能制造系統創新中心(上海スマート製造システムイノベーションセンター)は、政府の指示を受け、国有企業として16年に設立し、ソリューションの検索やデータの可視化などができるクラウドサービスを提供している。
同社の陳廷炯総経理は「中国の人件費やコストは上昇基調で、中国国内の製造業はスマート化を進めないと競争できなくなる」と危機感を示し、「今後、中国では製造業向けの投資が必ず伸びる。しっかりと顧客を増やし、中国の製造業の発展に貢献したい」と意気込みを語った。
中国では、日本と同じように企業のほとんどを中小企業が占める。同社のような国有企業はほかにも誕生し、中小企業を中心に製造業の強化に取り組んでいるという。市場の拡大に伴い、製造業を対象にしたITベンダーの競争はますます激しくなる可能性がある。
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