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中国AI界四強の一角、科大訊飛、世界トップ級の技術をアピール
2018/10/30 16:53
アイフライテックは、1999年に創立し、翻訳機や音声合成サービス、教育向け製品などを手掛けている。国を挙げてAIの発展に取り組む中国政府が2017年、阿里巴巴集団(アリババ)や騰訊控股(テンセント)、百度(バイドゥ)と並び、音声分野の重点育成企業に指定したことで、大きく注目されるようになった。
「われわれの技術は圧倒的に優秀だ」。今回のイベントで、創業者の劉慶峰董事長は、自社の技術力の高さをこう表現した。会場に集まった来場者を前に、テキスト音声合成の品質を競う国際大会Blizzard Challengeで、昨年に引き続き1位を獲得したほか、日本の英検準一級と同レベルとされる中国の大学生向け英語検定試験CET6級でトップ1%以内に入ったことも示し、「英語の理解度は人間の平均レベルを超えている」と胸を張った。
ほかにも、同社は17年、中国の医師国家試験に初めて機械を合格させ、ロボット医師を世に送り出した。中国国内の音声認識市場では70%のシェアを獲得しているともいわれているが、それでも劉董事長は「機械と人の通訳を比べると、まだ差がある」と指摘。さらに「データがあるものは高い正解率を示せるが、学習していない場面に出くわした時、機械の能力は6歳の子どもより低い」と説明し、技術力のさらなる向上を目指す考えを示した。
同社は、政府からの補助金も含めて莫大な研究開発費を投じ、技術を磨き続けている。ただ、今後も大きく発展するためには、自社の技術だけでなく、パートナーも含めたエコシステムの拡大は不可欠とみており、胡郁CEOは「1社の企業が一つの領域を独占するのではなく、エコシステム全体でさまざまな領域に進出することが重要だ」と強調し、開発者向けのサービスメニューの充実やAI教育の強化などを盛り込んだ「1024計画」を発表した。
さらに胡CEOは「この多様化の時代では、いかに新しい価値を加えられるかが大事になる」と呼びかけ、「われわれイノベーション型の企業は、さまざまな業界でスマート音声を基礎にした駆動型のシステムをつくり、パートナーがお互いに強くなることを目指すべきだ」と訴えた。
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