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盛り上がる中国製造業向けビジネス、日系企業にも商機
2018/10/29 11:57
「中国は、新しい産業革命への転換を重視している」。10月11日、江蘇省南京市で開かれた「世界スマート製造大会」。中国工業信息化部の辛国斌副部長は、大勢の参加者に向けてこう呼びかけた。
3回目を迎えた大会には中国国内のほか、日本を含めて世界中から企業の関係者や専門家が参加。製造業のスマート化に関する世界の動向が紹介されたほか、人工知能やブロックチェーンといった技術の活用などについて意見を交わした。
中国は現在、国家戦略「中国制造2025」を定め、製造業で世界のトップになることを目標に掲げており、工場へのITについても積極的だ。大会で発表された「中国スマート製造発展年度報告」によると、スマート製造の関連市場規模は、2016年は前年比118.4%の1060億元(約1兆7000億円)で、20年には2200億元に達する見通しだ。
大会では、AIやブロックチェーンと並び、RPAに高い関心が集まった。ソリューションをテーマとするフォーラムでは、KDDI上海SL企画部の守岡純治部長が登壇。RPAに関する事例などを紹介。同社のソリューションを導入した中国企業の年間合計削減時間が10万時間に上ったことを示し、「中国でもRPAが注目されており、導入はこれから本格化するだろう」と期待感を示した。
一方、政府の方針に合わせた動きも出ている。上海智能制造系統創新中心(上海スマート製造システムイノベーションセンター)は、政府の指示を受け、国有企業として16年に設立し、ソリューションの検索やデータの可視化などができるクラウドサービスを提供している。
同社の陳廷炯総経理は「中国の人件費やコストは上昇基調。中国国内の製造業は、スマート化を進めないと競争できなくなる」と危機感を示し、「今後、中国では製造業向けの投資が必ず伸びる。しっかりと顧客を増やし、中国の製造業の発展に貢献したい」と意気込んでいる。
中国は、日本と同じように企業のほとんどを中小企業が占める。中国国内では、同社と同様に国有企業がほかにも誕生し、製造業の強化に取り組み始めている。市場が拡大する一方、日系企業も含めたITベンダーの競争は激化する可能性がある。
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