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地元密着ビジネスに取り組む IoT、webシステム開発などに強み――RAPiC

2018/08/30 10:00

週刊BCN 2018年08月27日vol.1740掲載

 仙台市のITベンチャー、RAPiC(水沼正樹代表取締役)は、開発スピードの速さ、小回りの良さが評価され、東北楽天ゴールデンイーグルスを運営する楽天野球団のシステム開発を手がけた実績をもつ。高橋そのみ取締役は、「代理店を挟まず、直請けで進めることで、お客様のニーズをキャッチしやすく、開発期間を短縮できる」と話す。

高橋 そのみ
取締役/システムエンジニア
 同社は2012年11月に設立し、現在の従業員は7人。IoT関連から、ウェブシステム、管理システム開発などを手がける。強みはインフラを含めた提案ができる点。「インフラに強いスタッフがいるので、アイデアを生かした提案ができる」と高橋取締役は話す。

 その一つがデジタルサイネージシステムだ。サーバーにあるコンテンツを取りにいくよう設計した小型PCを使うことで、液晶テレビを使ったサイネージシステムを実現。デジタルサイネージを導入するのに比べてコストを約半分に抑えた。管理システムはブラウザ上で操作でき、複数の表示画面をコントロールできる。

 顔写真確認システムも顧客ニーズからシンプルでリスクの少ないものに仕上げた。チケットやパスポートなどに印刷したQRコードと、クラウドに保存した顔写真をひも付けるシンプルなシステムで、テーマパークなどに入場する際、スタッフが登録された顔写真と本人を確認できるようにした。

 高橋取締役は「氏名や住所などを登録した顧客管理システムでは個人情報流出のリスクがあるが、このシステムは個人情報流出のリスクが低い」と、あえて登録する情報を絞った理由を説明した。同システムを導入することで、年間パスポートなどを他人に不正利用されることを防止できるという。

 デジタルサイネージ、顔写真確認システムとも楽天野球団に導入されており、今後はスポーツの球場やテーマパークなどに提案していくとしている。(山下彰子)
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