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日本オラクルの事業戦略 6月に新組織を設置 CIerとの協業強化などクラウドに傾注
2018/08/02 19:00
週刊BCN 2018年07月30日vol.1737掲載
日本オラクルの18年5月期業績は、屋台骨の「クラウドおよびソフトウェア」セグメントで、新規ライセンスの売上高が前年同期比7.3%増の465億5700万円、アップデート&プロダクト・サポートが4.9%増の867億5700万円だったのに対して、クラウド(SaaS/PaaS/IaaS)が44.2%増の132億300万円と大幅に拡大。全体に占める割合は7.1%となった。
調査会社IDCによれば、国内パブリッククラウドサービス市場の17~22年の年平均成長率(CAGR)はPaaSが25.0%、IaaSが26.7%、SaaSが16.7%となる見込み。「No.1クラウドカンパニー」を目標に掲げつつも、売上高に占める割合はまだ1割に満たない日本オラクルだが、石積・執行役副社長アライアンス統括は、「おかげさまで昨年度はこれを超える伸びを記録できた。引き続きマーケットのシェアを取っていく」と述べ、成長率に前向きな評価を示した。
19年5月期のアライアンス施策としては、営業・エンジニア向けの育成支援を強化するほか、「OPN Cloud Program」のなかで付加価値提案を行うパートナーを認定するMSP(Managed Service Provider)プログラムやCEI(Cloud Excellence Implementer)プログラムに注力。さらに、パートナーへの成功事例の共有も推進する。当日は「OPNクラウド事例コンテスト2018」の受賞作品も発表し、ジールが「Oracle Planning and Budgeting Cloud Service」向けに開発した業種別の短期導入テンプレート「ZEAL Oracle PBCSソリューション」、TISの「クラウド・ネイティブアプリ高速開発ソリューション Powered by Oracle APEX on Cloud」が最優秀賞を受賞した。
さらに、日本オラクルは、この6月にクラウドイノベーション推進部隊を新たに設置した。これによって、CIerとのアライアンスや業界/ソリューション特化のアライアンスを推進していく。石積・執行役副社長アライアンス統括は、「従来のビジネスはオンプレミスが中心で、とくにSI・リセールをやっているパートナーとのお付き合いがアライアンス部門の仕事だった。クラウドの時代になって、CIerという、いままでお付き合をしていなかった新たなパートナーとの協業をどんどん進めていきたい。また、こうしたパートナーと既存のパートナーの間でのシナジー創出にもチャレンジしていきたい」と抱負を述べた。(真鍋 武)
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