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「OpenStack Days Tokyo 2018」の見どころを聞く あらためて“クラウドネイティブ”を考える機会に
2018/07/26 12:00
週刊BCN 2018年07月23日vol.1736掲載
技術者から経営層向けまで幅広くコンテンツを用意
――OpenStackプロジェクトのアップデート水野 高セキュリティを特徴としたコンテナ環境「Kata Containers」や、OpenStackの開発で培われたCI/CDツール「Zuul」がOpenStackから独立したプロジェクトになり、OSSのエッジコンピューティング基盤を目指したワーキンググループも立ち上がった。コミュニティサポートが12か月から18か月に延長されたのも大きなトピック。OpenStackそのものは大規模な新規機能追加は少なく、成熟期に入った。コミュニティの性質も開発者ドリブンからユーザードリブンに変化してきている。
――日本国内でのOpenStackの活用状況
竹内 大手ベンダーのクラウドサービスのIaaS基盤に使われるケースも多いし、業種別、用途別に特定のコンテンツの基盤として使われることも多い。いずれにしても、成熟するにつれてしっかり市場に浸透してきたとはいえる。
――OpenStackのコミュニティの現状
工藤 ITベンダーがエンジニアをコミュニティ(OpenStackユーザ会)に送り込んで、何らかのかたちで自社のビジネスに生かしていくのが基本ではあるが、基本的にコミュニティは参加者個人個人のコントリビューションが重要。その意味で、所属ベンダーの垣根を越えた結束があり、日本のコミュニティは世界的にみても非常に熱心に活動しているといえる。
竹内 OpenStack Daysも、OpenStackの普及促進に取り組んできた日本OpenStackユーザ会が世界に先駆けて開催し、世界に波及していき、いまでは世界13か国以上で開催されている。
――今回はCloud Native Days Tokyo 2018も同時開催する
長谷川 AWSやマイクロソフト、グーグルといったクラウドジャイアントは自分たちのIaaSの上にプラットフォームやアプリケーションのエコシステムをつくり、それを縦でくくったイベントをやっている。そこに横串を通そうというイベントがCloud Native Days Tokyo 2018。単純にOpenStackをどう利用するかだけでなく、真にベンダーニュートラルな立ち位置でクラウドをネイティブに使っていくためには何をすべきかにフォーカスした、今までにないイベントといえる。Cloud Native Daysでは、OpenStackを前提とせずに、AIやエッジコンピューティング、コンテナ、DevOpsといったテーマで先進的な知見が披露される。基調講演にはOpenStack foundationのジョナサン・ブライス エグゼクティブディレクターに加えてCloud Foudry foundationのアビー・カーンズ エグゼクティブディレクターが登壇するほか、グーグルのスピーカーが、自社のサービスを使った低コストでの機械学習活用事例をプレゼンしてくれたり、われわれにしか実現できないプログラムが満載だ。
水野 次の時代のシステムをつくる技術者には得るものが多いイベントになるはず。クラウドの入門編から応用編まで幅広くコンテンツを用意しているので、乗り遅れたかなと感じている人も気後れすることなく来場してほしい。ベンダーの視点に引っ張られない技術系のイベントはほかにないので、技術者だけでなく経営層の方にも情報収集の場として活用していただければ。
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