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DECTフォーラム コードレス電話で普及した無線通信方式をIoT市場に展開
2018/07/19 14:00
週刊BCN 2018年07月16日vol.1735掲載
動画や音声に最適な通信方式をアピール
「例えば、Wi-Fiのようなベストエフォート型の通信方式は、音声や動画などを送る場合、遅延が発生しやすい。そのため、リアルタイムの処理に向いていない。DECTは帯域保証型のため、音声をトリガーにするようなIoTソリューションで活用できる」と、DECTフォーラム ジャパンワーキンググループで代表を務める森川和彦氏は、DECTが音声や動画の転送に強いことをアピールする。DECTは、欧州電気通信標準化機構(ETSI)で標準化された免許不要の無線通信方式。屋外で300m、屋内で70m以上と、免許不要ながら広範囲で使用できる。電子レンジと干渉しないのも強みの一つで、家庭向けのコードレス電話では日本では100%の普及率を誇り、多機能化が進むコードレスタイプのドアフォンでも採用されている。
「DECTは消費者に認知されていないものの、コードレス電話などで知らずに使ってきている。ただ、固定電話が減り続けていることから、将来を見据え、DECTの新たな活用方法を模索している。その有力な選択肢の一つとして、IoTに注目している」と、DECTフォーラム ジャパンワーキンググループの武久吉博氏はDECTの状況を説明する。
DECTは1.9GHz帯を使用し、2.4GHz帯のBluetoothやWi-Fiと干渉しないため、双方を同時に利用できる。また、先述の通り、電子レンジと干渉しないため、欧州ではDECTを搭載するスマートフォンのほか、ブームとなっているスマートスピーカーでも採用されるケースがあるという。他との干渉が少なく、音声や動画に強いというDECTの特性を生かした格好だ。
メリットの多いDECTだが、日本では知名度の低さゆえ、コードレス電話などの特定商品でしか採用が進んでいない。「まずは、DECTを知っていただくことが重要。気になったら、ぜひDECTフォーラムに問い合わせていただきたい」と、佐藤繁雄氏。監視カメラの映像をリアルタイムで分析するようなニーズは、AI(人工知能)の普及によって確実に増えている。あとは、通信関連メーカーの評価次第である。(畔上文昭)
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