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ソリトンシステムズ セキュリティvs.業務効率 業界のキーマンが建設向けソリューションの活用事例を紹介
2018/07/19 09:00
週刊BCN 2018年07月16日vol.1735掲載
建設業界のIT動向
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IT推進部会
先端ICT活用専門部会
主査
堀内英行氏
そもそも建設業界においてIT化はどれだけ進んでいるのだろうか。日本建設業連合会(日建連)IT推進部会 先端ICT活用専門部会 主査 堀内英行氏(大林組 グローバルICT推進室 担当部長)によると、日建連内で実施したアンケートでは96%の企業がスマートデバイスを導入しており、生産性や業務精度、コミュニケーション面において効果があったと回答が得られたという。なかでも堀内氏は、「スマートデバイスを用いて、現場業務のこなし方自体を変えられないかと発想する社員が多く現れた」という事実を取り上げ、ICTサービス導入の進捗状況と導入による利点を強調した。
また、堀内氏はその場で最新のITソリューション活用の動向を解説。カメレオンコードと呼ばれるバーコードをスマートデバイスなどで管理することで車両の入退場管理を容易にする「いろあと」(インフォファーム)や、VR技術により場所を選ばない現場訓練を実現するVR訓練・研修システム「VROX」(積木製作)など、計10のITソリューション・テクノロジーを紹介した。
西松建設のセキュリティ対策
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社長室 ICT企画部
部長
古村文平氏
上記項目に取り組むにあたって、ソリトンシステムズが西松建設に提案したソリューションは「CounterAct」と「InfoTrace-OnDemand」の二つ。ここでとくに重要となるのはInfoTrace-OnDemandだ。同サービスはPC操作のログを残すことができるもので、ウェブサイトはもちろん、メールから、アプリケーション、ゲーム、プリンタ、外部メディアといったものまで、その項目は多岐にわたる。クラウドストレージや外部メディアへのコピー操作を可視化する「Splunk Cloud」(米スプランク)と合わせて導入することで内部からの情報持ち出しを監視できる。ファイルコピーの状況把握により、全ユーザーへの常時監査と是正指導体制の確立が可能となったという。そのほか、長時間残業対策や管理外PCの把握など、セキュリティだけでない有用性についても語った。
顔認証でPCの運用を効率化
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グループICT推進室
副部長
高橋 均氏
導入開始後の感想として、認証スピードや暗所での認証精度は期待以上だったという。しかし、そのセキュリティの厳格さのために、これまでカードの貸し借りなど現場で対応していた運用ができない。この点については、問い合わせのつど、対応方法を決めているとのこと。最後に高橋氏は、「将来的にはカードだけでなくパスワード認証も顔認証に変更し、シングルサインオン、パスワードレス化を進めるとともに、勤怠管理などさまざまなシーンに顔認証を適用していく」として、講演を締めくくった。
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