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NTTテクノクロスのブロックチェーン事業 独自ツールや技術協力でじわり伸びる
2018/07/12 09:00
週刊BCN 2018年07月09日vol.1734掲載
相次ぐ大規模な実証実験が追い風に
ブロックチェーン関連の事業モデルは、(1)NTTテクノクロスが独自に開発したブロックチェーン関連商材の販売、(2)NTTデータなどのグループ事業会社が手がける実証実験に技術協力することで得られる技術顧問料、(3)NTTテクノクロスがブロックチェーンを活用したSIを独自に手がける――ことの主に三つ。唐澤マネージャーは、「今は、各業界のリーダー的な会社が音頭をとって実証実験を続けている段階。まずはこうしたプロジェクトに関わっていくことでビジネスを伸ばす」と話す。
NTT研究所と共同でブロックチェーンの技術開発に力を入れてきたNTTテクノクロスは、ブロックチェーン関連で初の独自製品「ContractGate/Monitor(コントラクトゲートモニタ)」の販売を今年1月にスタート。同ツールは、ブロックチェーン技術を活用したサービスの運用状態をわかりやすくグラフや図で表示するもの。技術的に詳しくない現場の担当者でも、業務の進捗や取引の状況(トランザクション)が一目で分かるようにした。
今後は、ブロックチェーン全体の運用監視ツールや既存の業務アプリケーションとブロックチェーンを接続するインターフェースなどを開発していく予定だ。
ほかにも、NTTデータをはじめNTTグループの事業会社が手がけるブロックチェーン関連の案件に参加。技術協力を行うことで売り上げにつなげるケースが増えている。直近のブロックチェーン関連の実証実験は、NTTデータグループだけでも貿易や不動産、保険などさまざまな業界向けに行っている。
例えば、海運業界は船会社、海上保険会社、銀行、商社、運送会社といった多くの関係会社が取引に参加しており、システム化しにくい業界といわれてきた。ブロックチェーン技術を活用すれば、取引情報を共有しやすくなり、業務効率が高まることが期待されている。
一方で、貿易や不動産、保険といった業界規模のブロックチェーン適用には時間がかかるうえに、NTTデータのような大手SIerが元請けになることが想定される。NTTテクノクロスが独自にブロックチェーンのSIを手がける場合は、例えば、既存のブロックチェーンサービスに参加する際のつなぎ込みなど、中小規模のSI案件を取り込んでいくことで売り上げを伸ばしていく。(安藤章司)
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