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ビジネスメール詐欺(BEC)に対抗するセキュリティ対策 機械学習で個人のメールボックスを分析――アズジェント
2018/06/21 12:00
週刊BCN 2018年06月18日vol.1731掲載
IRONSCALESは、機械学習を使ってフィッシング対策を行うメールセキュリティ対策ソリューション。個人のメールボックス内におけるメールのやり取りを機械学習を用いて分析することで、通常時とは異なる特徴や不審なコンテンツ(添付ファイルやURL)、送信元のなりすましを検知・除去することができる。こうした機能から、取引先になりすますことなどによって金銭をだまし取るBEC対策に役立てることができるという。
IRONSCALESは、機械学習を用いて個人のメールボックスの振る舞いを分析し、なりすましメールを検知する「IronSights」、レポートティング機能をもちメール内に記載されたURLや添付ファイルを分析し、危険なコンテンツを含むメールを除去する「IronTraps」、IRONSCALESを利用するユーザー間でインテリジェンスを共有する「Federation」、フィッシングのシミュレーションによって従業員のセキュリティ対策スキルレベルをチェックする「IronSchool」の4つのモジュールで構成される。IRONSCALESの導入ユーザーは、これらすべての機能を利用することが可能。「IronSchoolでセキュリティレベルのチェックを繰り返し、スキルを向上させていくことで、IronTrapsのレポート精度も上がっていく。企業全体のフィッシングに対するセキュリティ意識を高めていく仕組みが一つのプラットフォームで提供できる」と、ビジネス開発部の太田智博氏は話す。
開発元のIronscalesは、イスラエルに本社を置く、2014年設立のスタートアップ企業。グローバルで100社を超える企業にソリューションを提供している。今回、アズジェントは同社とディストリビュータ契約を結び、IRONSCALESの国内販売に至った。
杉本社長は、「BEC分野での製品提供は当社としては初めて。業界としてもこれまでフィッシング対策はあったが、なりすまし対策はなかったと思う。IRONSCALESの特徴は機械学習を使い、メールボックス単位、個人単位で対策できることだ」と強調。まずは、セキュリティ意識の高い企業に対し、IRONSCALESを訴求していく考えを示す。また、太田氏は「金融関係の企業や、海外とのやり取りが多い企業がBECのメールを受け取ることが多い」といい、そうした企業からすでに問い合わせも来ているとしている。アズジェントでは、初年度50社の販売を目指す。(前田幸慧)
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