セールスフォース・ドットコム(小出伸一会長兼社長)は、エントリー版のCRMアプリケーション群「Salesforce Essentials」を日本国内で本格展開する。第一弾として、営業支援の「Sales Cloud Essentials」、顧客サポートの「Service Cloud Essentials」の提供を開始。小規模・スタートアップ企業をターゲットとして拡販する。
御代茂樹
マーケティング本部
プロダクトマーケティング
シニアディレクター
Salesforce Essentialsは、設定の簡易性、操作性、拡張性の観点から小規模企業のIT活用を支援する。具体的には、チュートリアルの画面に従ってサービスの利用方法を簡単に学べるほか、設定アシスタントによって自社に最適な設定をすぐに行える。約400コースを備える無償オンライン学習環境「Trailhead」も提供。御代茂樹・マーケティング本部プロダクトマーケティングシニアディレクターは、「サービスを正式契約する前に必要な環境を揃えることができる」と説明する。さらに、同社のAIエンジン「Einstein AI」のEinstein Activity Capture機能によって、ユーザーが受信したEメールや入力した予定の情報を自動でSalesforce Essentialsに追加し、手作業による入力の負担を軽減する。加えて、クラウドマーケットプレイス「AppExchange」を活用すれば、ビジネスの状況に応じて連携アプリを追加することが可能だ。
月額価格はユーザー1人につき税別3000円。同社製品の既存顧客は対象外で、新規顧客だけに販売する。最大ユーザー数は5ユーザーまで、カスタムオブジェクトが利用できないなどの制限はあるが、上位版の「Professional」と同程度の機能が使用できるうえ、標準製品と同じく年3回の機能アップデートも行われる。
千葉弘崇
専務執行役員
コマーシャル営業
中小企業庁調査室の「2017年版小規模企業白書」によれば、17年4月時点で国内企業の85.1%を小規模企業が占めている。千葉弘崇・専務執行役員コマーシャル営業は、これら企業が直面している課題について、「一言でいえば、低迷する労働生産性・IT投資の遅れ」と指摘。営業活動が属人的になっていたり、一人が複数の業務を兼任していたり、会社にITの専任部門がなかったりすることが原因だが、Salesforce Essentialsによって「課題解決を助けることはもちろん、新しいかたちで顧客とつながることができ、結果として収益拡大や生産性向上など、ビジネス目標が実現できる」とアピールした。
なお、国内展開の本格化に合わせて、パートナー企業のパソナテキーラが、Salesforce Essentials専用の導入・活用支援サービス「AGORA Essentials plus」の販売を開始している。(真鍋 武)