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最新ストレージ戦略 カギは昨年買収したニンブル――日本ヒューレット・パッカード
2018/04/05 09:00
週刊BCN 2018年04月02日vol.1721掲載
昨年はSimpliVity、Nimble Storageを買収し、ストレージ事業の強化を進めてきた米ヒューレット・パッカード(HPE)。必要なポートフォリオが揃ったところで、改めて同社のストレージ戦略について説明した。
高野 勝
ハイブリッドIT事業統括
データプラットフォーム統括本部
エバンジェリスト
わかりやすいところで、プライベートクラウドを支えるストレージ製品群をみていく。従来ある「MSA」「3PAR」に加え、昨年買収した「SimpliVity」、そして「Nimble Storage」の4本柱で展開していく。なお、SimpliVity、Nimble Storageは日本でいよいよ本格展開していくという。各ストレージにはそれぞれ特徴と得意な市場がある。具体的には、MSAは小規模な環境向け、SimpliVityは仮想マシンやVDIの統合環境向け、Nimble StorageはサービスプロバイダのDBやSaaS、パブリッククラウドの立ち上げ用途向け、3PARは大規模なプライベートクラウドやパフォーマンスDB向けと、顧客のニーズや用途に合わせて提供していく。
これらのプライベートクラウドとパブリッククラウドをつなぐツールとなるのが、クラウドベースのモニタリングとデータ分析ツールの「InfoSight」、マルチクラウドのストレージ領域を提供する「Cloud Volumes」、シンプルなマルチクラウド管理ツールの「OneSphere」の三つだ。なお、この三つのツールは日本でまだ展開していない。
この三つのなかでHPEがとくに注力するのが、自律型データセンター実現のカギを握るInfoSightだ。
InfoSightは、Nimble Storageがもつソリューションで、世界中にあるNimble Storageから情報を毎秒吸い上げ、5分に1回InfoSightのクラウドに情報をあげる。溜めたデータをAIやデータアナリティクスを使って分析する。いわば、ストレージをIoTデバイスにするソリューションだ。
ロッド・バグ・HPE Nimble Storage 分析&カスタマーサポート担当バイスプレジデントは、「データを分析することで予知サポートを自動化し、障害が発生する前に顧客にレコメンドを出すことができる。顧客はクラウド上のポータル画面を通じて、プロアクティブな管理を行うことができる」と説明する。障害を予見し、発生する前に対策を取る自律型データセンター実現のコアテクノロジーになり得ると強調した。(山下彰子)
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