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沖電気工業 「共創」目的でフェア開催
2018/03/29 09:00
週刊BCN 2018年03月26日vol.1720掲載
中部地区の製造業と連携強化
イベント開始前の記者会見で全体の
説明をした宮澤透・執行役員
宮澤執行役員が中部地区に期待するのは、トヨタ自動車をはじめとした自動車や、交通、航空、運輸、流通などで業界トップクラスの大企業が多いことだ。「航空機や新幹線をはじめとしたJRの車両などで、中部地区の企業と共創できる。同地区は大切なエリアだ」と述べ、同社がもつ情報通信、メカトロニクス、EMS(電子機器の受託生産)、プリンタの主力4事業で展開する製品や技術を使った協業を推進していくとしている。
新商品で注目を集めたのは、ITSや光ファイバーを使った監視システム、IoT関連などだ。例えば、次世代交通関連では、「LocoMobi2.0」と呼ぶITSサービスを展示。同サービスは車両の情報や渋滞情報などの道路情報を収集・分析しタクシー会社などの車両利用企業の業務効率化を図るSaaS型ITSサービスだ。工程管理が厳しく建設現場に時間通り資材を運搬することを強いられる建設会社に提供中という。展示場の説明員によると、「人工知能(AI)やビッグデータ解析などを取り込み分析し、渋滞状況などに応じて適宜運転手に推奨路線や到着予測などを伝える」という。
次世代交通など6つのテーマ別ゾーンで商品を展示し、地元企業が説明を聞いた
また、光ファイバーを使った新商品としては、「分布型温度・歪みモニタリング」というソリューションを公開。光ファイバー上の温度・歪み分布を可視化する先進技術で、トンネルや橋脚、ダムなど、広範囲を点検する必要がある社会インフラの常時監視を実現する。「多数の電気式センサを敷設するよりも導入コストを低減でき、早期の異常検出が可能だ」という。現在、実証実験用の評価キットを提供中だ。業務改革ゾーンに展示された新商品のうち、映像IoTシステム「AISION」は、OKIのメカトロの技術を応用し、H.264符号化形式の高画像映像データを大幅に圧縮する映像配信の効率化技術を備えるほか、顔認識、物体認識など画像センシング技術を搭載する。「店舗の窓口・レジの混雑予測や優良顧客の認識で顧客サービスを向上したり、工事現場で危険エリアに作業員が侵入した際の警報通知ができるなど、用途は多様だ」と、小売店舗や電力会社、空港などに売り込む。
独自の映像IoTシステムの展示ブース
参考出品されていたのは、プロジェクターやカメラなどのIT機器を活用し製造現場のQCD(品質・費用・納期)を向上する「プロジェクションアッセンブリーシステム」や、バーチャルオペレータによる無人窓口対応を実現するATMの技術を生かした「AIアシスト端末」などだ。AIアシスト端末は、キャッシュレス社会に向け同社主力のATMに代わる端末として、タッチ操作でAI対話エンジンとやり取りする金融機関向け端末として開発中。「硬貨や紙幣の出入金機やパスポートリーダー、チケットプリンタなどを自由に組み込めるので、金融機関をはじめ、鉄道・空港などのチケット発券などに応用できる」と話す。
同イベントでは、OKI単独のソリュションに限らず、富士機械製造やデンソーウェーブなども、OKI製品と連携した商品を展示していた。また、OKI-Gゾーンでは、OKIソフトウェアがコールセンター連携CRM(顧客管理)を展示したほか、沖ウィンテックがEXaaS音声クラウドサービス、沖データがLED(発光ダイオード)プリンタ・複合機や本格的に市場開拓を目指す大判プリンタなどを紹介していた。
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