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セルフサービスBIの本命参入――米Sisense
2018/03/29 09:00
週刊BCN 2018年03月26日vol.1720掲載
米ニューヨークに本社を置く急成長中のBI(ビジネスインテリジェンス)ベンダー、Sisense(アミール・オラッドCEO)が、日本市場に本格参入する。国内では、データ利活用のコンサルティング会社、グランバレイ(大谷泰宏社長)と3月7日に販売代理店契約を結び、販売を開始した。このほど来日したイヤール・トッカー欧州アジア営業担当副社長は、「先行するBIベンダーに数年で追いつく」と、早期の日本市場開拓に自信をみせる。
(左から)米Sisenseのイヤール・トッカー欧州アジア営業担当副社長と武田寛・日本代表
Sisenseは2010年に設立。BI製品の販売などで実績のある武田寛・日本代表が、日本でのマーケティングや日本語化などを行っている。同社のBIは、ETL(Extract/Transform/Load)やデータマート相当の機能を含むオールインワン型製品で、世界186か国で約4000顧客に導入されている。
調査会社ガートナーの「BIマジッククアドラント2018」では、Tableau、Qlikに次ぐ高い評価を得ているほか、「過去6年は倍々で成長した」(トッカー副社長)と、BI市場で注目株のベンダーだ。SisenseのBI製品は、大規模環境やデータソースが多種にわたる複雑なデータ環境に強い一方、ITに不慣れなユーザーでも簡単にダッシュボード作成・分析が可能なセルフサービスBI機能をもつことが特徴だ。一般的なサーバー環境で高速処理を行うチップに独自技術を埋め込んだ「In-Chip」など、データ分析に必要な特許技術を多くもっている。
トッカー副社長は、「ETLやデータマート相当の機能が内蔵しているので、極めて簡単な作業でデータの準備ができ、通常、稼働までに必要な3~4か月の準備作業が数日で完了する。運用面でも、データ項目の追加などが容易で、IT担当者の負荷を軽減できる」と語る。同社BI製品のデータソースへの接続アダプタは、オラクルDBやSQL Server 、Amazon Redshiftなど、約50種類あり、「いまあるデータソースのほぼすべてを網羅している」(同)と、セルフサービスBIとしても使い勝手がいいと強調する。SisenseのBI製品は、各種APIを公開しているため、同BIを分析プラットフォームとして独自アプリケーションの開発が可能だ。そのため、「日本のITベンダーやユーザー企業が、Sisenseを埋め込みサービス化するOEM提供も拡大したい」(トッカー副社長)と話す。当面は、グランバレイを通じてユーザー企業に年間契約型のライセンス販売をするが、市場に浸透するなかで提供方法も変更する。日本市場では、「病院や製造業などに大規模導入されている。導入が短期で、手離れがいいBI製品だ」(武田日本代表)と、チャネル開拓にも力を入れる。(谷畑良胤)
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