ニュース
米IBMのロメッティCEO、IBM Think 2018で「Watsonの法則」を発表
2018/03/22 11:00
「IBM Think 2018」で講演する米IBMのバージニア・ロメッティCEO
具体的には、IBMが独自に開発するCPUの「Power9」と、AI演算に有利とされているNVIDIAのGPUの技術を組み合わせることで、AI演算の速度が従来のおよそ50倍になったと発表。「Watson」は、より少ないデータで高い精度の意志決定を支援することを強みとしており、これにPowerとNVIDIA製GPUの組み合わせでAIアルゴリズムの演算能力を高める。こうした取り組みによって、Watsonの能力を加速度的に増やしていく。
その上でロメッティCEOは、企業向けAIを活用して、顧客とともにビジネスを変革する重要性を訴えた。「現在、(グーグルなどの検索サイトで)検索が可能とされているデータは全体の2割に過ぎない。残り8割は企業や個人の手元にある」と指摘。IBMが目指す企業向けAIは、「個々の企業が所有するデータを保護しながらAIの学習に生かす」点が、データが他所へ取り出されてしまう一般個人向けのAIと本質的に異なることなると話した。
4万人の聴衆を前に講演するロメッティCEO
約4万人の聴衆を前にした講演の最後に、ロメッティCEOは「個々の企業にあるデータとAIの活用は、顧客企業やIBMのビジネス、ひいては社会全体にとっても大きな変曲点になる」と、締めくくった。
- 1
関連記事
日本IBMがPOWER9搭載サーバー、汎用機/オフコンからの乗り換えを促進
日本IBM、基幹業務システムのクラウド移行を「IBM Cloud」事業の主軸に
芙蓉開発、JBCCなどと連携して在宅遠隔医療システム「安診ネット」を発売