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電子情報産業の世界生産見通し 2017年は過去最高を更新
2018/01/17 09:00
週刊BCN 2018年01月08日vol.1709掲載
電子情報技術産業協会(JEITA、長榮周作会長=パナソニック代表取締役会長)は12月19日、電子情報産業の世界生産見通しを発表した。同産業の世界の生産規模を明確化し、日系企業の位置づけを把握することを目的としたもの。会員各社を対象としたアンケート調査の結果をもとに推計している。これによると、2017年の世界生産額は前年比6%増の2兆7401億米ドルで、過去最高の更新を見込む。(真鍋 武)
カテゴリ別のIT関連では、通信機器が前年と同等の5128億米ドル、コンピュータおよび情報端末が同2%増の4320億米ドル、SI開発・ソフトウェアなどのソリューションサービスが同6%増の7642億米ドル。ソリューションサービスは過去最高を見込む。
地域別の生産額では、中国が35.2%、アジア・パシフィックが27.5%を占め大きく貢献。中国は世界の工場としての地位を保ち、とくに電子機器の生産額全体の55.3%と突出している。ただし、ソリューションサービスの内訳は、日本が7.0%、中国が19.4%、アジア・パシフィックが10.3%、米州が34.6%、欧州他が28.7%。欧米の割合が大きい。
長榮周作
会長
また、17年の電子情報産業における日系企業のシェアは13%で、海外生産分を含む世界生産額は前年比5%増の38兆5403億円、18年は同2%増の39兆2353億円とした。
さらにJEITAは同日、CPS(Cyber Physical System)/IoTの利活用分野別の世界市場調査の結果を発表した。16年の世界市場規模は194兆円、日本は11兆1000億円だった。
30年の市場規模は、世界が404兆4000億円、日本が19兆7000億円と、それぞれ約2倍の成長を遂げると予測。各種機器のIoT化率は8割を超える見通しだ。地域別では、中国の割合が拡大し全体の19%を占有。利活用分野別では、30年に向けて「農業」が年平均20.2%、「医療・介護」が10.9%、「流通・物流」が10.4%で成長すると予測した。
長榮会長は、「ビッグデータ、人工知能(AI)、ネットワークなどの技術の進展によって、17年はあらゆるものがインターネットでつながるIoTの時代が本格的に到来した年。まさにIoT元年となる1年だった。IoT化の流れは今後ますます進展していく」と話した。日本市場では「流通・物流」「医療・介護」分野の成長が著しく、それぞれ30年までに2兆4000億円、1兆3000億円に成長する見込み。
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