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クラウド移行のポイントから都市伝説まで AWSの担当者が“強さ”の秘密を説明――アマゾン ウェブ サービス(AWS)
2018/01/11 09:00
週刊BCN 2018年01月08日vol.1709掲載
アマゾン ウェブ サービス(AWS)ジャパンと週刊BCNは11月と12月、愛知県名古屋市と新潟県新潟市で「システムインテグレーター必聴!トップベンダーが語るクラウドビジネスのつくり方~なぜ、AWSは強いのか~」と題したセミナーを共催した。各会場では、クラウド移行のポイントや人材育成、パートナープログラム、クラウドに関する都市伝説についてAWSの担当者が講演し、“強さ”の秘密を説明した。
11月28日の名古屋会場では、セッション1で諸岡賢司・エコシステムソリューション部パートナーソリューションアーキテクトが登壇し、「クラウドへのマイグレーション」をテーマにオンプレミスからクラウドへの移行プロジェクトの進め方について説明した。
諸岡賢司
エコシステム
ソリューション部
パートナーソリューション
アーキテクト
マイグレーションを実施する際のポイントについては、「少し動かして肌感覚で知ってもらうと、お客様は納得しやすい。できるだけ事前に検証することを推奨している」と説明。移行するシステムを区切り、どの部分からどの方式で移行するかについてもしっかり検討するべきだとした。
また、IPアドレスをバーコード化しているアプリケーションや未サポートのOSなど、AWSへの移行が難しい例についても言及。「移行ツールの機能制限など、AWSのサービスだけでは移行できないこともあるが、パートナーのソリューションを活用すれば移行できる場合が多い」と語った。
冨田賢
トレーニング
サービス本部
事業開発マネージャー
冨田氏は、「欧米では自社のIT技術者のスキルアップや資格取得を推奨しており、この部分に積極的に投資している」とした。一方、国内の状況については「新入社員研修などをやっているが、新技術に対しては企業の投資は動いておらず、人によってものすごく差が生まれている」と指摘した。
ただ、「日本の場合は、技術が一般的に認知されると、企業の研修に採用されて一気に裾野が広がる」とも説明。「昨年から今年にかけて、『新入社員研修でAWSの資格を取らせたい』という引き合いがどんどん増えている」とし、クラウドが国内企業の間で技術的に一般化しつつあるとの認識を示した。
そのうえで、顧客にクラウドを導入してもらうためには「クラウドを単なるITツールではなく、ビジネスを変革する要素として、経営層や管理者など、各レイヤで導入のメリットを理解してもらう必要がある」と強調した。
さらに、イベント・セミナーや公開コンテンツ、有償トレーニングの特徴などを紹介。「継続的に知識をキャッチアップする環境をつくることが重要。とりあえず、お金をかけてトレーニングを受けるだけでは、エンジニアのレベルを維持するのは不可能になっている」とし、効果的な学習の進め方として「社内でAWSのエバンジェリストをつくり、その方を中心に勉強会を繰り返すやり方がいい」と話した。
セッション3では、パートナーアライアンス本部の並木克仁氏が、パートナープログラム「AWSパートナーネットワーク(APN)」について説明した。
パートナー
アライアンス本部
並木克仁氏
APNについては、SIerやMSP事業者向けの「コンサルティングパートナー」と、パッケージベンダーやSaaS事業者向けの「テクノロジーパートナー」の二種類があり、APNに参加する際は最初にどちらにするかを選ぶ必要があると説明。APNに参加することで、「パートナーの底上げ」や「リード獲得」「営業・技術・アライアンス」「費用」の四つの面でメリットがあるとした。
講演の最後には「思った以上にクラウド化が進んでおり、クラウドを使うか使わないかではなく、クラウドを使って何をするのかという時代に入りつつある」と述べ、「エンドユーザーからクラウドを使いたいといわれた時に、きちんと打ち返すためのノウハウをAPNで提供している」と締めくくった。
12月1日の新潟会場では、「よくある都市伝説とその真実」に関する講演もあり、舘岡守・エコシステムソリューション本部パートナーソリューションアーキテクトが、「クラウドよりオンプレミスのほうが安全だ」「クラウドはどれも同じではないか」「クラウドに保存したデータは再起動で消える」といった点について解説した。
大勢の人が参加した新潟会場
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