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社員の意識変革から始まる 働き方改革――内田洋行
2017/11/09 09:00
週刊BCN 2017年11月06日vol.1701掲載
内田洋行(大久保昇社長)が、全国で「内田洋行 IT Fair 2017」を展開している。食品業・物流業、福祉分野を中心とする中堅・中小企業の顧客向けに、IoT、AI、RPAなどの生産性向上を高めるICTの最新動向を発信するほか、中堅・中小企業で注目度が高まっている「働き方改革」をテーマにしたプログラムを用意した。

平山信彦
執行役員
知的生産性研究所
所長
平山所長は働き方変革の狙いとして「経営と社員の二つのハピネス」とした。経営のハピネスとは、勝ち残れる柔軟で強靭な組織のことで、これはどの経営者も目指しており、理解がしやすい。しかし、日本企業で失念しがちなのが「社員のハピネス」だ。平山所長は「社員が実感できる成果、つまりハピネスを感じないと長続きしない」といい、社員とのエンゲージメント強化は、重要な経営課題だとした。
働き方変革の評価軸でも同様の点を強調した。評価軸とは、働き方変革を実施していくなかで、施策を評価するためのものさしで、内田洋行では「創造性の向上」「効率性の向上」「躍動性の強化」の三つで構成される、としている。このなかで重要なのが、三つめの躍動性だ。躍動性とは元気な組織であるかどうかを評価する項目で、「社員が自分のジョブ以外に興味がない、また社員に対する評価が減点法であるとイノベーションが起こりにくい」と平山所長は解説する。とくに減点法の評価は、社員が委縮してしまい、新しいことに取り組む意欲が湧いてこないという。
他人のジョブに対する関心については、「イノベーションは身近で起こる。身近にあるものを組み合わせて磨き上げることでイノベーションが生まれる」(平山所長)といい、広い視野をもち、多くのジョブに触れることで、イノベーションが生まれやすくなると説明した。
24年には新卒社員が希少な存在になり、職場の半数以上が50代以上に、さらに女性、外国人が活躍する時代がやってくるという。多様な価値観、言語が混在し、過去の経験則をベースにもの事を判断する仕事はAIが担う。そのとき、イノベーションを起こすことができる人材が重要となる。(山下彰子)
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