ニュース

日本市場での本格拡販を目指す クラウドERP――Everジャパン

2017/10/26 09:00

週刊BCN 2017年10月23日vol.1699掲載

 週刊BCNは9月27日、Everジャパン(前田朝雄社長)の協賛により、「デジタル・AI時代の新たなSI成長モデル~クラウドERP“System Ever”で掴む新たな市場~」と題してセミナーを開催した。Everジャパンは今年6月、韓国の有力ERPベンダーである永林院ソフトラボ(権寧凡代表取締役)の日本法人として発足。中堅・中小企業向けのクラウドERP「SystemEver」を擁し、日本市場の本格的な開拓に乗り出した。

日本のパートナーとアジア進出

 永林院ソフトラボは、1993年の設立から4年後の97年に、中堅・中小企業向けのERPパッケージをリリースした。以降、ERPを主力商材として成長してきた。現在、ユーザー企業数は1500社以上で、2016年の売上高は約25億円。19年までに売上高を60億円規模まで成長させるという目標を掲げている。ユーザーの中心層は年商20億円から300億円規模の企業。韓国国内では、中堅・中小企業向けERPパッケージのトップベンダーとして君臨しているという。

 日本市場には03年から進出していたが、これまでのところ、日本市場での販路は限定的で、顧客基盤もそれほど大きくないのが実情といえる。そんななか、同社は14年にクラウドERPとしてSystemEverをリリース。これをきっかけとして、アジア地域を中心に、グローバル市場での拡販を強化する方針を打ち出した。同社は、日本市場をグルーバル展開の礎となる市場と位置づけており、本格的な販路拡大とパートナーエコシステム構築に乗り出したかたちだ。
 

永林院ソフトラボ
権寧凡
代表取締役

 今回のセミナーでは、永林院ソフトラボの権代表取締役も来日し、SystemEverが日本のSIerに新たなビジネスチャンスを提供できる商材であることをアピールした。「私は(京セラ、KDDIの創業者であり稲盛財団理事長、日本航空名誉会長などを務める)稲盛和夫氏を経営者として尊敬しており、すべての企業は常に革新を続けていかなければならないことを氏から学んだ。そのために欠かせないのがERPであり、当社はクラウド、モバイル時代を見据えたアーキテクチャを採用し、SystemEverを開発した。日本の成熟した経営管理とわれわれの先進的なITを取り入れたERPの組み合わせで、日本企業の成長に大きく貢献できるはず」と、権代表取締役は力を込めた。さらに、「日本市場でのSystemEverの普及には、力のあるパートナーとの協業も必要になる。日本のパートナーとともに日本で認められ、アジア市場に一緒に進出していきたい」と展望を語った。

SMB向け基幹業務市場を変える

Everジャパン
前田朝雄
社長

 Everジャパンの前田社長は、権代表取締役の後を受け、日本市場における実際の事業展開の方針などを説明した。サブスクリプション型のSaaS商材であるSystemEverは、「これまで多くのERP製品が進めてきたフロー型のビジネスモデルではなく、ストック型ビジネスモデルであり、パートナーはフロービジネスで固定的な収入が期待できる。Everジャパンは利用契約料の分配部分しか受け取らず、パートナーが付加価値サービスで儲けられる余地は非常に大きい」という。また、ユーザーは月々安価な使用料のみで会社の全業務をカバーできるシステムを入手可能になり、インフラへの投資も不要になるため、「パートナーにとってはこれまでコストの問題でERPビジネスではアプローチしづらかった、より小規模なユーザーにリーチすることも可能になる」とメリットを強調。さらに前田社長は、専用のカスタマイズツールや営業担当者の教育カリキュラムも充実させていることをアピールした。

ステラリンク
加園 忍
SIサービス事業ライン営業部長

 SystemEverの国内第一弾パートナーとなったステラリンクの加園忍・SIサービス事業ライン営業部長も登壇し、パートナーからみたSystemEverのメリットを説明した。加園部長は、「これまでSMB市場にとってERPのパッケージは非常に高額だった。SystemEverは、単一のデータモデルの下、企業活動の主な業務をカバーする機能を実装している真のERPでありながら、クラウドネイティブなサブスクリプションで利用できる製品であり、SMB向けの基幹業務システムのビジネスに大きな変革を起こす可能性がある」と語った。

日本マイクロソフト
中嶋信行
シニアクラウド
セールスマネジャー

 さらに、SystemEverはMicrosoft Azureをクラウド基盤として活用しており、日本市場でもマイクロソフトとの連携を強化していく方針だ。プログラムの締めくくりに、日本マイクロソフトの中嶋信行・テリトリーパートナー営業統括本部SMB営業本部シニアクラウドセールスマネジャーがEverジャパンとのパートナーシップについて説明。「永林院ソフトラボと韓国マイクロソフトは非常に密接な関係を築いているが、日本でもそれを横展開していく。Everジャパンには、日本ではCSPパートナーとして活動していただく。SystemEverとAzureのAIなどを融合させた新しいソリューションの展開なども一緒にやっていきたい」とコメントした。
  • 1

外部リンク

Everジャパン=http://www.systemever.jp/

【導入成功事例~文教編~】

授業効率と学生満足度を向上させたクリエイター向けPCとは?!

× こちらから>>