ニュース
エフアンドエム 効率化が遅れる労務手続き業務を改革
2017/08/09 09:00
週刊BCN 2017年07月31日vol.1688掲載
クラウド労務手続きシステム「オフィスステーション」を提供するエフアンドエム(森中一郎社長)は、業務ソフトメーカー大手のピー・シー・エー(PCA、水谷学社長)との連携により、販路を大きく拡大している。ITソリューション事業本部の渡辺尚人・本部長は、「これまで直販メインで営業してきたが、PCAとの協業により、短期間で大きく成長できる手ごたえを得た」と話す。
渡辺尚人
本部長
そこで、2016年1月に、社労士向けのクラウドサービスとして、オフィスステーションをリリース。「社会保険、労働保険の手続きを効率化でき、かつ金融機関並みのセキュリティも担保したシステムで、e-Gov外部連携APIを活用し、電子申請に完全対応した」(渡辺本部長)とのことで、リリース後1年で500事務所が導入した。また、オフィスステーションは、労務手続きシステムのほかに、マイナンバー管理システムも個別のサービスとしてラインアップしており、ユーザー増の追い風になったという。ただし、同社にとってはうれしい誤算というべきか、e-Gov外部連携APIに対応しているソフトはe-Govのウェブサイトに一覧が掲載されているが、これをみた一般企業から問い合わせが殺到。そこで、社労士向けだけでなく、一般企業向けにもサービスを提供する方針を固めた。
企業の労務手続きは給与データと密接に関連しているため、給与計算ソフトとの連携も急ぎ模索し、今年3月、PCAとの協業も発表。オフィスステーションと、PCAのクラウド給与計算システム「PCA 給与DXクラウド」をWeb-APIで連携させることで、ユーザーは給与データ・従業員台帳データの一括自動取得ができるようになった。
この協業により、販売面での相乗効果もあらわれているという。渡辺本部長は、「PCAクラウドの連携ソリューションとして、同社の販路で訴求してもらうことで、新しい顧客層にもリーチできるようになった」と話しており、今年度(2017年3月期)末までに、2000社のユーザー獲得を目指す方針だ。(本多和幸)
- 1