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ティントリジャパンの「Tintri VMstore」、セガゲームスが導入
2017/07/04 15:28
セガゲームスでは、全仮想化を実現していくために、ストレージのI/Oリソースを大量に消費する“モンスターVM”を解消し、安定稼働するITインフラを実現することが課題となっていた。そこで、同社インフラDB課では、2016年の夏から新たなストレージ製品の導入検討に取りかかったという。
製品選定に際してはストレージベンダー4社から検証機を借り受け、「ハードウェア障害の発生時に、どの程度ストレージI/Oが停止してしまうか」と「運用面でどの程度改善効果があるか」の2点に注目してPoCを実施した。ハードウェア障害のテストでは、検証機のLANケーブルを引き抜いたり、ハードディスクを1台壊したりして、擬似的に障害を発生させた。長いものではI/Oが2~3分間も停止したが、ティントリの場合は数秒から数十秒程度で回復した。また、運用改善面では、ティントリが備える「自動QoS機能」が大きな効果を発揮。他社のストレージにも自動QoS機能を備えたものはあったが、実際にテストしてみると、おだやかにI/Oを抑えているという程度で、ほかのVMのパフォーマンスに影響が出ていた。一方でティントリは、自動QoSがほかのVMへの影響をしっかりと抑えていた。
セガゲームスでは、16年から本番サービス環境にティントリの仮想化環境専用ストレージ「Tintri VMstore T850」を新規導入し、運用を開始した。現在は、1台あたり420VMを収容しているが、まだ余裕があり、1台で約800VMは収容できるとみている。コンテンツについては、スマートデバイス向けゲームの「ぷよぷよ!!クエスト」や「オルタンシア・サーガ -蒼の騎士団-」、また、B2Bサービスであるスマートデバイス向けのマーケティング支援サービス「Noah Pass(ノアパス)」のバックエンドシステムもTintri VMstoreに収容している。
Tintri VMstoreの導入により、セガゲームスでは、これまでストレージの定例運用に費やしていた時間が「ほとんどゼロ」になり、ITインフラのさらなる改善と将来のビジョン実現に向けた業務に注力できるようになった。また、従来のストレージ環境では、パフォーマンスが低下するため重複排除/圧縮機能が利用できず、DRサイトへのバックアップにも1回あたり6時間を要していた。一方、Tintri VMstoreでは、重複排除/圧縮によって転送するデータ量を大幅に削減し、「Tintri Replicate VM」を利用して1時間に1回のバックアップ(スナップショット)を実現した。
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