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NTTPCコミュニケーションズ クラウドの柔軟性や拡張性をネットワークの管理に適用
2017/06/28 09:00
週刊BCN 2017年06月19日vol.1682掲載
NTTPCコミュニケーションズ(NTTPC、田中基夫社長)は、中堅・中小企業向けおよび多拠点展開に適したネットワークサービス「Master'sONE CloudWAN Nプラン」の提供を開始した。同サービスは、1月から提供しているMaster'sONE CloudWANシリーズの第2弾。NTTのイノベーションセンター、米NTT Innovation Instituteと共同で開発しているサービスである。
三澤 響・サービスクリエーション本部第二サービスクリエーション部サービスクリエーション担当担当部長
(写真右)、新藤 宙・営業本部営業企画部開発営業担当
ネットワーク環境は、一度構築すると、「変更や拡張といった作業に何日もかかっていた。そこで、クラウドサービスを見習い、柔軟性や拡張性があり、すばやい展開が可能なネットワーク環境を目指した」と、三澤響・サービスクリエーション本部第二サービスクリエーション部サービスクリエーション担当担当部長は語る。そこでCloudWANでは、SD-WAN技術を活用し、“クラウド型ネットワークサービス”として、クラウド感覚でネットワークを構築できるようにした。これによって、クラウドとオンプレミスのITインフラをシームレスな仮想ネットワークに結合するプラットフォームを実現する。ファイアウォールやWAN高速化装置などの機能をソフトウェアで実現するため、ネットワーク技術者がオンサイトで機器設定を行う必要がない。同サービスは、オンライン申し込みから4営業日以内の拠点開設を実現するという。
今回発表したNプランの特徴は、IT運用の効率化と迅速化の実現にある。例えば、イントラネットで「どのようなアプリケーションが、いつ、どれくらい利用されているか」を可視化できるため、業務に不要な通信や最適化が必要な通信などを把握することができる。また、可視化したデータをベースとし、特定アプリケーションの利用を禁止したり、回線を増強したりすることで、最適なトラフィック制御を実現している。
回線利用のコスト最適化にも注力しており、例えば特定のトラフィックをインターネットに迂回させることが可能になった。「Office 365のようなSaaSはインターネット経由で利用するため、WANを通す必要がない。そこで、特定のアプリケーションのトラフィックをインターネットに直接迂回できるようにした」と、新藤宙・営業本部営業企画部開発営業担当はクラウド利用拡大に伴うコスト増を抑制できると説明する。
新機能の追加は、随時行っていく予定。7月には、AWSやAzureといったパブリッククラウド上に設置できるソフトウェア型のエッジ装置を提供する。また、専用線やフレッツ回線など、複数の回線を組み合わせて利用できる機能を9月に提供開始する予定である。ほかにも、セキュリティ機能の強化やフレッツ回線利用時に必要な機能の提供などが予定されている。
サービス価格は拠点あたり月額1万7000円で、初期費用は不要。まずは、日本と南アフリカでサービスを展開する。国内の展開はNTTPCが担当し、NTTグループ傘下のディメンション・データグループのInternet Solutionsが南アフリカでの展開を担う。(畔上文昭)
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