ニュース
ソフトクリエイト SaaS版CMS「SiteMiraiZ」でコーポレートサイト充実へ
2017/06/28 09:00
週刊BCN 2017年06月19日vol.1682掲載
ソフトクリエイト(林宗治社長)が今春、自社で開発したSaaS版CMS「SiteMiraiZ(サイトミライズ)」の提供を始めた。得意とするECサイトの構築で培ったノウハウを凝縮したのが特徴で、企業の“顔”となるコーポレートサイトを簡単かつ安全に充実させることができる。
シェア1位のECbeingと同レベルの機能
SiteMiraiZは、ソフトクリエイトのグループ会社が提供する中堅大手向けECサイト構築パッケージ「ECbeing(イーシービーイング)」を源流とする。
富士キメラ総研の市場調査レポートによると、ECbeingは、国内ECソリューション市場で8年連続で1位を獲得しており、これまでに1000超のサイト構築を支援してきた。
ソフトクリエイトは、ECサイト構築支援のかたわら、顧客の求めに応じてコーポレートサイトの構築にも取り組んできた。ここ数年で実績が増えてきたことから、本格的にCMSの市場に参入することを決定。新製品としてSiteMiraiZを打ち出し、4月から提供している。
ソフトクリエイトはこれまで、顧客の声を聞きながらECbeingの機能やUIを磨き上げてきた。SiteMiraiZは、ECbeingと同レベルの操作性や管理機能を活用できるため、専門知識がなくてもコーポレートサイトの制作や運用ができる。
Site MiraiZの管理画面(ソフトクリエイト提供)
さらに、SaaSの特性を生かし、年3~4回の自動バージョンアップを予定。バージョンアップは無償で、ユーザーは追加費用や作業の手間なしでシステムを最新の状態に保つことが可能だ。
セキュリティは「業界最高レベル」
CMSの市場では、オープンソースプラットフォームの「WordPress(ワードプレス)」が代表的だ。ただ、WordPressのぜい弱性を狙ったサイバー攻撃は頻発しており、CMSの安全性について懸念の声があがっている。情報漏えいなどを防ぐためにも、企業はコーポレートサイトのセキュリティ対策は万全にしたいところ。しかし攻撃は、日々巧妙化しており、脅威を防ぐのは簡単ではない。
多くの企業が頭を悩ませる問題に対し、ソフトクリエイトが打った一手が、ECbeingと同じデータセンターを活用すること。SiteMiraiZで構築したホームページの情報をデータセンターで保護し、利用者に安心感を与えたい考えだ。
データセンターでは、セキュリティ・サービス最大手「ラック」による定期的なセキュリティ診断を実施。24時間365日の有人監視なども講じており、事故なくECサイトの運営を支援してきた。
ソフトクリエイト
岡本康広
執行役員
WEBビジネス事業部事業部長
イメージアップに一役
企業のイメージを決めるうえで、コーポレートサイトの役割は大きくなっている。各企業は、SEO対策に力を入れたり、検索結果の順位を決める際の要素となっているスマートフォンサイトに対応させたりしている。たくさんの情報が掲載されているコーポレートサイトのなかで、ソフトクリエイトは、グループ全体で実施してきた施策が生かせる「採用」と「企業間の取引」を重要視している。今後、企業への提案やSiteMiraiZの機能に、これまでに蓄積してきた知見を反映させる方針だ。
とくに採用について、岡本執行役員は、「就職情報サイトは、あくまで企業を知ってもらうためのツール。結局、就活生はコーポレートサイトをみて応募している」と分析し、「就活生だけでなく、家族や友人も見る採用サイトをしっかりつくらないと、企業は採用に苦戦してしまう」と警鐘を鳴らす。
そのうえで、「われわれはこれまで、グループとしてECサイトの構築を支援し、成果を出せるウェブサイトについて考えてきた。単にウェブサイトをつくるのではなく、優秀な人材を獲得したり、営業活動の見込みを増やしたりできる点にしっかりと焦点をあてていきたい」と述べた。(廣瀬秀平)
- 1