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クレスト 簡易カメラで通行人を分析

2017/06/21 09:00

週刊BCN 2017年06月12日vol.1681掲載

目的別の新版を発売

 店舗看板とサインディスプレイを手がけるクレスト(永井俊輔社長)は今年1月、屋内外にあるディスプレイの効果を画像解析で数値化するカメラ「ESASY(エサシー)」の新型バージョンを発売した。昨年1月に出した初期版は、本体の計測ユニットだけを販売していたが、小売店舗や展示会ブースなどの設置要件に応じ、データ分析(グラフ化)機能をパッケージ化した。将来的には、「実店舗の滞留時間や電子商取引(EC)サイトの実売などのデータをもとに販促・広告費用の効果分析だけでなく、企業のマーケティング施策に貢献できるソリューションにする」(永井社長)考えだ。

江刺家直也
システムソリューション・
ディビジョン・ディレクター

 ESASYは、専用カメラを使って画像解析し、広告表示の看板やディスプレイ前の人通りなどを検知することで、広告物に対するユーザーの注目度や費用対効果を数値化するシステムだ。専用カメラはRaspberry Pi(ラズベリー パイ)を使い開発した薄型で軽量のきょう体。「WiFiでネットワーク接続するため、LAN工事やビス止めなど大掛かりな施工は不要だ」と、江刺家直也・システムソリューション・ディビジョン・ディレクターは説明する。

 そのため、ユーザーの視線に合わせディスプレイや広告看板に掲げるだけで使える。ディスプレイ内にカメラを組み込むなど高額で大掛かりなシステムが多いなか、ESASYは簡易に使え、データ解析にも使える優位性がある。

永井俊輔
代表取締役社長

 新型バージョンでは、カメラを複数台使う小売店舗向けの計測のほか、商業施設内のオープン店舗や展示会ブース、セミナーなど6種類のパッケージプランを用意した。また、顔認証技術を用いた「ESASY-Bio」の開発も開始したことを公表した。個人情報は特定せずに高度なマーケティングデータを取得したいハイエンド向けだ。永井社長は、「看板、ディスプレイは月別で新規受注が10件以上に達している。こうした企業に対し、ESASYを横展開するだけでなく、ディスプレイや店舗マーケティングのスタンダードにしたい」と意欲を語る。

 クレストは永井社長の父親が1987年に創業。店舗の看板などを製作するDTP(デスクトップパブリッシング)事業とサインディスプレイ事業を手がけている。2004年には、大型商業施設ららぽーとなどに店舗をもつガーデニング・エクステリアの「IN NATURAL(インナチュラル)」を買収。ESASYは、インナチュラルの店舗でも使われ、来店客や店舗前に滞留する人の分析でディスプレイを変更するなどで売り上げを伸ばしている。(谷畑良胤)
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外部リンク

クレスト=http://www.crestnet.jp/index.html

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