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ソニックウォール 日本市場のビジネス展開を本格化
2017/06/21 09:00
週刊BCN 2017年06月12日vol.1681掲載
中堅・中小企業向けUTM(統合脅威管理)製品に強みをもち、2016年にデルから独立した米ソニックウォール(ビル・コナー社長CEO)は、パートナー企業との関係を強化し、ビジネス拡大に向けた動きを本格化させている。国内においては、昨年11月にグローバルで発表したパートナープログラムの運用を5月に開始。藤岡健・日本法人社長は、「毎年、10%以上の成長は遂げていきたい」と意気込む。
写真左から、米本社のビル・コナー社長兼CEO、スコット・マクレディVP、日本法人の藤岡 健社長
16年にデルがEMCを買収するにあって、デルから独立した同社。日本においては、デル・ソフトウェアの日本法人がクエスト・ソフトウェアに社名を変更し、同社のなかでソニックウォールの事業を展開してきたが、今月、ソニックウォールは同社から独立し、国内ビジネスを本格化させている。
国内事業の強化に向けて、昨年11月にグローバルで発表し、すでに運用を開始しているパートナープログラム「SecureFirst」を今年5月、国内でも提供を始めた。SecureFirstでは、パートナーランクを4種類に分け、パートナーポータルへのアクセスや販売ツールの提供、リベートの支払いなどが行われる。また、セールス、エンジニア、サポート人員向けのトレーニングを提供する「SonicWall University」プログラムと、ランサムウェア、暗号化された脅威、電子メールの脅威に関する知識向上を支援する「Fear Less」キャンペーンも用意。なお、藤岡社長によれば、ソニックウォールとして、公式にパートナープログラムをアナウンスするのは「日本では今回が初めて」とのことだ。
SecureFirstプログラムは、すでにグローバルで1万社が登録済みで、そのうちの2割にあたる約2000社が新規のパートナーだという。藤岡社長は、国内においてもこの勢いのまま、「すでに数千社のパートナー網があるが、この倍くらいは登録してもらえるだろう」との考えを示す。
デル傘下時代は、直販・間販の販売モデルで製品展開を行ってきており、ソニックウォールの事業としては成長軌道にあったが、独自の判断による事業展開などに課題があった。
米本社のコナー社長兼CEOは、デルという大きなブランドが外れ、「ソニックウォールというブランドを再構築するにあたり、代理店からは喜びの声を多くいただいている」と、新生ソニックウォールの誕生に手ごたえを感じている。ディープラーニングやサンドボックスといった強みとする技術に加え、パートナー網の拡大で、日本ビジネスを成長へと導いていく方針
だ。
スコット・マクレディ・日本およびアジアパシフィック地域担当VPは、「日本は、アジアのなかで最もパフォーマンスのよい地域。パートナーとの緊密な連携で、事業拡大を進めていきたい」と語った。(前田幸慧)
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