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Dell EMC World 2017、クライアントソリューション事業の基調講演で旧EMC出身幹部が代打に!進むデルとEMCの融合

2017/05/11 17:49

【米ラスベガス発】米デルテクノロジーズ(マイケル・デル会長兼CEO)は、現地時間の5月8日から11日までの4日間、米ネバダ州ラスベガスで「Dell EMC World 2017」を開催している。2日目にあたる9日の基調講演では、「Realize Transformation」(変革を現実に)をテーマに据え、旧デルのビジネスの源流であるPCビジネスを核としたクライアントソリューション事業の現状と展望を解説した。


デルのジェレミー・バートンCMO

 当初、この基調講演を担当する予定だったのは、デル会長兼CEOの右腕として、旧デルで長年PC事業に携わり、現在は米デルテクノロジーズ傘下でクライアントソリューション事業を担うデルのオペレーション部門副会長兼クライアントソリューションズ部門統括責任者の任にあるジェフ・クラーク氏だった。しかし、本人の都合により急きょ欠席となり、代役を同社のジェレミー・バートンCMOが務めた。バートンCMOは旧EMC出身で、それ以前は米オラクル、米ベリタス、米シマンテックなどのエンタープライズIT市場の有力企業を渡り歩いてきた人物。「プレゼンの技術に定評がある」(同社関係者)とはいうものの、エンタープライズIT市場の有力企業で長年キャリアを積んできたバートンCMOが、クライアント製品をテーマにした基調講演を“デルテクノロジーズ代表”として担当する姿には、デルとEMCの融合が順調に進んでいることを強く感じさせる効果があったといえそうだ。
 

6月に米国で発売を予定しているワイヤレス充電機能を備えた「LATITUDE 7285 2-IN-1」を披露

 これに先立ち、初日の基調講演でデル会長兼CEOは、「PCビジネスがわれわれにとって今後も明確な事業であることは明らか。われわれがフォーカスする法人向けのIT市場において、業務の現場の生産性向上に大きく寄与するものであるし、IoT、VR、ARの世界で非常に強力な分散インフラを提供する役割も担うことになる」と説明した。バートンCMOはこれに加え、PCの進化、とくにモビリティの向上が働き方の変革を促したことを指摘。「単に場所の話ではなく、仕事へのアプローチそのものを変革しているということ。PCはもはや紐に縛られてはいない」として、今年6月1日に米国で発売を予定している「業界初のワイヤレス充電ソリューション」(バートンCMO)を備えた「LATITUDE 7285 2-IN-1」をステージ上で披露した。

 また、これも前日にデル会長兼CEOが基調講演で軽く触れたが、PC本体と必要なソフトウェア、セキュリティ対応、サポートサービスなどをセットで月額固定料金制のサービスとして提供する「PC as a Service」をグローバルで展開することをあらためて発表した。さらに、ワークステーションの「Precision」が、ナイキのデザインチームの生産性向上に貢献したり、ARを活用したウェアラブルデバイスを手がけるスタートアップのダクリ社が提供するソリューションのインフラに活用されていることなどを紹介した。(本多和幸)
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