ニュース
インターコム サイバー攻撃の検知に対応した「MaLion」協業で製品強化を追求
2017/05/11 09:00
週刊BCN 2017年05月08日vol.1676掲載
サイバー攻撃の警告通知を可能に
MaLion Ver5.2の機能強化で最も目玉になるのは、サイバー攻撃への対応。アズビル セキュリティフライデーのサイバー攻撃検知システム「VISUACT-X」との連携で、検出したサイバー攻撃のログをもとにシステム管理者に対して警告通知が可能になった。VISUACT-Xによって検知したサイバー攻撃情報を、MaLionに取り込んでMaLionのコンソールによる情報の一元管理ができる。IT資産管理関連製品・サービスのセキュリティ対策といえばその機能特性から、これまでは内部犯行による情報漏えいに対して、端末の監視を通じて抑止したり、端末の機能を制御することで防止したりということがメインだった。しかし、最近ではサイバー攻撃への対応も求められつつある。というのも、攻撃者に侵入機会を与えないことが目的の「入口対策」を施したものの、サイバー攻撃がますます巧妙化してきているため、その入口をくぐり抜けて内部に侵入してくるケースが多くなっているからだ。端末に感染したマルウェアは、社内ネットワーク上のほかの端末に感染を拡大させたり、外部と通信して外部からの指令を受け取ったりと、さまざまな攻撃を仕掛けてくる。このような被害を防ぐため、内部の監視を得意とするIT資産管理関連製品・サービスが注目を集めているわけだ。
高橋祐二
グループ長
川又 諭
係長
アプライアンスなどの提供も拡大へ
このほかにもMaLion Ver5.2には、PC紛失時のリモートロック、セーフモードでのログオン情報収集、アラートサービスのファイル実行などの機能追加と、さらにセキュリティ強化を図っている。これらの機能強化を踏まえて拡販していくわけだが、基本的にはインターコムの販社が提供していくことになる。高橋グループ長は、「VISUACT-Xとの連携については、MaLionに価値を付加できると意識して販売してほしい」との考えを示している。また、アズビル セキュリティフライデーでは「VISUACT-Xアプライアンス for MaLion」と称して、今回の連携に伴ってアプライアンスの提供にも踏み切っている。簡単・短納期での導入が可能なアプライアンスに対してニーズが高まっていることからも、SMBを対象に拡販が期待できそうだ。インターコムでは、今回の協業を生かして「今後も、MaLionを通じてさまざまなベンダーとのパートナーシップを検討する」(川又係長)との方針を示している。とくに、アプライアンス化は今回が初めてということもあって「MaLionを浸透させるという点で、新しい領域に進出した」(高橋グループ長)とアピールしている。
加えて、「クラウドサービスは、2016年度(17年3月期)に前年比で約200%の売上増を達成した。今年度も、さらに前年比200%超の成長を目指す」(高橋グループ長)としており、将来的には「MaLion Cloud」にも今回の機能を搭載することを示唆している。
MaLionは、Mac OSに対応していることが他社製品との優位性になっているほか、1年ほど前にLinuxにも対応して新規顧客をさらに開拓できる製品として確立している。クラウドサービスが急成長していることもあって、MaLion関連ビジネスが社内で“稼ぎ頭”になっている状況だ。そういった点からも、「今後も開発投資に力を入れて機能強化を追求していく」(高橋グループ長)とのことだ。(佐相彰彦)
- 1