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インテル、大塚商会と熊本でセミナーを開催
2017/04/13 17:39
イベントは「働き方改革コース」のほか、「CAD 聴講セミナーコース」「CAD 体験・ハンズオンセミナーコース」と、CADに特化した2つの小人数トラックを併設し、計3トラックを展開。冒頭、大塚商会の小野里司九州支店長は働き方改革コース会場で挨拶に登壇し、「大塚商会のこういったイベントは、熊本では久しぶり、というよりもほぼはじめて。アンケートなどを通じて皆様の意見を伺いながら、今後、熊本のお客様にいろいろな形でお役立ちになれるように努めたい」と、開催の趣旨を語った。
挨拶する大塚商会の小野九州支店長
続いてインテルのセールス・チャネル事業本部長の井田晶也執行役員が、「ICTの進化で実現するワークスタイル変革」と題して講演。「さまざまな技術革新で、私たちを取り巻く環境は急激に変化している。当然、ワークスタイルも変革していく必要があるし、今後のビジネスにも大きく影響してくる」と、IoT時代に伴ったビジネスモデルの必要性を訴えた。
インテルの井田執行役員
井田執行役員は、具体的な事例として諸外国でのITベンチャーの成功例を示し、「いわゆる産業革命のようなものが始まっているが、共通している点は、需要のあるエンドユーザーと供給するパートナーをマッチングするサービスとなっていること。彼らは在庫として所有する部分は最小限にとどめ、小さい規模でビジネスをスタートしている。さまざまな端末につながるネットワークとデータセンターのサービスがあって、初めて成り立つビジネスモデルだ」と分析。「IoTも、それ自体が一つの市場になるわけではなく、あらゆる産業や事業領域で変革を起こしうるプラットフォームというべき存在。データの収集ではなく、収集したデータを解析し、その結果、もたらされる新しい知識やアイデアで新しいサービスやビジネスモデルを構築することが、今後の社会に変革をもたらす」(井田執行役員)との見解を示した。
「ITをあくまでプラットフォームとし、マッチングで成功している」(井田執行役員)
また、井田執行役員は日本を取り巻く環境にも言及し、「グローバリゼーションが加速することで、ガラパゴスと呼ばれる独自性を盾にとった、日本で多く見られるビジネスモデルは徐々に通用しなくなってきた。イノベーションとグローバリゼーションを原動力とした黒船のようなものが、既存の産業を洗い流してしまう可能性がある」と語り、これまでのビジネスに警鐘を鳴らした。同時に、「日本初のアイデアが世界に取り入られるようなチャンスも増えていく」と述べ、あらゆる業界で激化していく企業間競争とその裏にある大きなビジネスチャンスの存在を指摘した。
ITではない業界で、ITを活用するビジネスモデルが増える土壌があるという
こうしたなかで、革新的アイデアの生み出し方について触れ、「必ずしも従来の企画会議のような定例会議からアイデアは生まれるのではない。今までの日本の多くの会社にみられる不十分なコラボレーションや効率の悪いやり方ではなく、イノベーションを生み出すための仕組みを積極的に考え、コラボレーションが加速する新しい働き方のための環境づくりが必要」と井田執行役員は説明。働き方を変革することでアイデアも生まれ、それが世界に通用するビジネスになる可能性もあると語った。これに関連して、「これまでITは生産性向上やコスト削減が目的となってきたが、ビジネスを展開するうえで核となる経営戦略としての側面が強くなってきたように思う」と、徐々にITの位置づけが変化しつつある点を伝えた。
「環境づくりを進めないことで、競争力の格差が拡大していく」(井田執行役員)と訴えた
講演の最後に井田執行役員は、インテルが働き方改革を進めるためのソリューションとして提供する「ワイヤレスドッキング」「Recon Jet」「Unite」と、IoTを活用した事例を紹介。「今後、IoTに代表されるような最新のソリューションを利活用することで、企業格差はますます広がっていく。企業規模を問わずアイデア一つで大きく飛躍するチャンスがあり、そこには都市圏という地の利はない。言い換えると、地方でもビジネスチャンスが広がっていく。現在、日本でモバイルに対応している企業は約5割にとどまり、在宅勤務では約8割が未対応といわれている。熊本の方々にはいまさらかも知れないが、DRやBCPの考え方も含めて、勤務体系や働く場所の環境整備、サポートをどう行っていくかが、今後の日本企業の大きな課題だ。これからもインテルは皆様の課題に取り組み、地方創生、地域経済の活性化に少しでも貢献していきたい」と締めくくった。
続いて、大塚商会の営業本部トータルソリューショングループTSM課の渡邊賢司氏が「製造IoT事例及び今後の潮流について」と題して、事例を交えながら解説した。渡邊氏は、月の半分は全国の顧客を巡回しており、顧客の半分以上はIoT、AIに興味を持つという。「今年から研究開発費や予算を取り徐々に検討を進めている企業は多いが、大半は具体性に欠けるのが実態だ。予算を確保したが具体的に何をやっていいかわからない、という企業は多い」と、大手、中小を問わず、まだまだこれからの段階にあると説明した。
大塚商会の渡邊氏
渡邊氏は、具体的に何から始めるべきかについて、「極端にいえば、IoTでデータを集め、この集めたものをAIに入れることで初めて分析が可能となるが、そもそもオラクル、SQLサーバー、手組みなどが混在しているデータ統合から始めることが多い。1か所に集めて、そこにためて初めて分析につながる」と、まず最初の一歩としてビッグデータの作成が急務であると訴えた。
データをためることはゴールではないが、まずはデータ収集から
今回のイベントでは、インテルをはじめエプソン販売、日本HP、富士通がPCやタブレット、複合機などの最新のソリューションを紹介する展示スペースを併設した。雨が降りしきる悪天候の中、最終的には延べ60名が来場した。「ここ5年間で引き合いが徐々に増えており、今回は熊本を選択した。このイベントが盛況だったことから、今後も熊本、大分、佐賀などで企画を考えていきたい」と、小野九州支店長は早くも次の構想を抱いていた。(藤代格)
セッション、展示会とも盛況だった
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外部リンク
大塚商会=https://www.otsuka-shokai.co.jp/