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インテルがAIへの本気度を示す、都内で「インテル AI DAY」
2017/04/07 15:58
あいさつする江田社長
開会のあいさつで、江田社長は「私たちを取り巻く環境は、データに満ちあふれているといっても過言ではない」と前置きし、「データはイノベーションを進め、大きなビジネスチャンスを生み出す」と持論を展開。引き続きAI関連の事業に注力する方針を示し、「適切な市場に適切なタイミングで取り組み、幅広いパートナーシップで市場をつくりあげていきたい」と訴えた。
イベントの目玉の一つは、インテルとPFNとの協業が発表されたことだ。Chainerは、高い柔軟性と性能が世界的に評価されており、学術機関や産業界で広く導入されている。インテルとPFNは今後、より幅広い環境での開発を可能にして、時間やコストといった課題の解決を目指す。
PFNの西川徹社長
PFNの西川徹社長は、「ディープラーニングとIoTを融合し、新しいアプリを生み出したい。この取り組みを加速させるうえで、インテルとの協業は非常に重要だ」と述べ、「インテルのアーキテクチャでChainerを自由自在に使えるようにして、コミュニティの拡大とサービスの選択肢を増やしたい」と意気込みを語った。
AIが「よりよい世界」を実現する分野
基調講演では、米インテルコーポレーションの責任者らが登壇。農業や産業など、幅広い分野でAIが「よりよい世界」を実現するとの見通しを示したほか、AIやディープラーニング向けのアーキテクチャやプラットフォームなどを説明した。
バリー・デイビス氏
最初に登壇したデータセンター事業本部アクセラレーター・ワークロード事業開発本部長のバリー・デイビス氏は、「AIは、コンピューティングの次なる大きな波だが、市場はまだ初期段階」と指摘。「ハードとソフトの最適化で新たなAIが生まれる」とし、「インテルは、ほかにないような製品群を提供し、好循環をもたらすことができる」と呼びかけた。
ニディ・シャペル氏
「インテルNERVANAポートフォリオ」(左)と「インテルNERVANAプラットフォーム」
次いで、データセンター事業本部AI製品担当シニアディレクターのニディ・シャペル氏が、AI実装向け共通アーキテクチャ「インテルNERVANAポートフォリオ」やディープラーニング向け「インテルNERVANAプラットフォーム」を紹介。現在のディープラーニングの課題として「トレーニング時間の長さ」を挙げ、「2020年までに、トレーニング時間を現在の最速ソリューションと比較して100分の1に短縮する」と語った。
アミール・コズローシャヒー氏
AI向けのソリューション
また、インテルコーポレーションが昨夏に買収した米Nervana Systemsでも最高技術責任者を務めていたデータセンター事業本部副社長兼最高技術責任者のアミール・コズローシャヒー氏は、「AIはビジネスを大きく変革しており、業種を問わずにどんどん普及する」と強調。AI向けのソリューションをエンドツーエンドで提供できることをアピールした。
このほか、国立研究開発法人産業技術総合研究所人工知能研究センター特定フェローで、東京工業大学学術国際情報センターの松岡聡教授らがゲストで講演。サテライト会場では、パートナーのデモやショーケースの展示があった。
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