ニュース
CDNの網宿科技 収益率が低下傾向に価格競争が激化
2017/04/05 09:00
週刊BCN 2017年03月27日vol.1671掲載
網宿科技は、2000年設立のCDN(Content Delivery Network)大手プロバイダ。深センA株市場に上場し、約3000人の従業員を抱える。同社によると、15年の中国CDN市場ではシェア42.7%を獲得し首位につけている。
収益率悪化の主な要因は、市場競争の激化だ。業績予想の発表資料で、同社は「国内CDN市場の競争が白熱化し、市場価格が明確に下降しており、会社の粗利益が落ち込んだ」と説明。中国ではインターネット企業など、DC・クラウド市場への新規参入が相次いでいる。
現地メディアの21世紀経済報道では、「『阿里雲(Alibaba Cloud)』が発起した価格戦によって、伝統プロバイダの価格も下落し、利益の鈍化ないし損失がもたらされた」と指摘している。クラウドサービス最大手のアリババグループは、16年度(17年3月期)の1年間に「阿里雲」は17回の値下げを実施。スケールメリットを生かして低価格で、大量のユーザーを抱え込もうとしている。
今後、網宿科技では、海外事業を強化するなどして、収益率向上を進める方針だ。(真鍋 武)
- 1