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もしもしホットライン大連 成長する大連アウトソーシング企業2017年は人員増強で300人体制へ
2017/02/15 09:00
週刊BCN 2017年02月06日vol.1664掲載

佐野研二
総経理
同社の強みは、競合がほとんど手がけていない高度なアウトソーシングサービスを提供できること。佐野総経理は、「競合大手の人材は日本語スキルが高いが、実際には日本語を駆使する業務を十分に行えていない。一方、当社はそれができる」と説明する。
例えば、保険会社の審査業務のアウトソーシング案件がそれだ。顧客が申込書に記入した自筆確認の業務では、「さいとう」という名字だけでも「斎藤」「齋藤」「齊藤」などがあり、複雑な漢字を見分ける能力が求められる。こうした判断は特殊な経験を積んだ中国人でなくてはできず、「そもそも顧客がオフショアアウトソーシングできる業務だと考えておらず、案件化されていないことが多い」という。
これに対して、りらいあコミュニケーションズでは、どの部分が切り出し可能なのか、顧客の業務に深く入り込んでアセスメントを行う。これによって、従来は存在しなかったアウトソーシング案件を創出している。佐野総経理は、「小さな案件を数でこなすのではなく、少数の顧客と深くおつき合いさせていただくのが当社の特徴。蓄積してきた顧客との関係が生きている」と話す。
こうした業務を遂行するには、大連側にも人員の研修・教育が欠かせない。もしもしホットライン大連では、案件ごとに個別対応し、担当者を2か月ほど日本に送って習得させる手間をかけている。コストは高くつくが、「他社との差異化に加えて、社員のモチベーション向上の観点でも価値がある」(同)という。
17年は、昨年の為替変動の影響で案件が活発化したことを受け、需要の拡大が見込まれている。「裏で動いている案件が予定通り進めば必要になる」(同)ことから、人員増強を判断した。
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