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富士ゼロックス(中国) 「Smart Work Gateway」を発表 ソリューション売上比率50%へ
2017/02/01 09:00
週刊BCN 2017年01月23日vol.1662掲載
董事長
一方、中国市場では、独自の展開を図る。第一弾として、アリババグループ、マイクロソフト、セキュリティベンダーのHIDと手を結んだ。これら企業と連携し、新製品の「ApeosPort-VI C」シリーズ6機種および「DocuCentre-VI C」シリーズ4機種と、モバイル、クラウド、ワークフロー、データ管理、セキュリティなどの各種ソリューションを組み合わせて提供する。例えばモバイルでは、複合機のパネル上に専用アプリや企業の微信(WeChat)公式アカウント、支付宝(Alipay)アカウントなどのQRコードを表示し、これをモバイル端末で読み取って各サービスにログインすると、複合機でスキャンした文書類の格納やモバイル印刷、モバイル決済などのサービスが利用できる。クラウドでは、顧客の要望に合わせて、マイクロソフトのプライベートクラウドやハイブリッドクラウドのサービスを複合機から利用することが可能となる。
富士ゼロックスが、このタイミングでSmart Work Gatewayを中国市場に持ち込んだ背景には、同国のプリンタ/複合機市場の成長が減速しているという事情がある。調査会社IDCでは、2015~20年の中国レーザープリンタ・複合機出荷台数の年平均成長率を1.01%と予測。単純な機器販売では大きな成長が見込みにくい状況だ。メーカーが持続的な成長を遂げるためには、新たな付加価値提案が求められる。
実際、富士ゼロックス(中国)はここ数年、中国市場向けに現地開発したローエンド複合機の販売に注力し、15年の中国A3レーザー複合機市場ではシェア19%(IDC調べ)と1位を獲得した。しかし徐董事長は、「プリンタ事業を利益あるものにするには、攻め入る領域を変えていく必要がある。ローエンド領域での競争は非常に厳しい。機器販売では、どのメーカーも利益が出ていないのではないか。ローエンドよりももう一段上の市場で頑張りたい」と現状について話す。
富士ゼロックスの本社会計2015年度(16年3月期)の中華圏(中国本土・香港)売上高は約1000億円だった。このうち、ソリューション関連ビジネスの売上比率は10%程度にとどまっている。徐董事長は、「20年までに全体(売上高)のソリューション比率を5割強にしたい」と目標を掲げている。
「Smart Work Gateway」を発表する富士ゼロックス(中国)の経営層
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