富士ゼロックス（栗原博社長）の海外販売会社である富士ゼロックスシンガポール（本社・シンガポール、Bert Wong社長）は1月10日、GPSと連動した音声ガイドコンテンツで個人のスマートフォンで利用するためのクラウドサービス「SkyDesk Media Trek」を、日本旅行（堀坂明弘社長）のシンガポール現地法人NTA Travel（Singapore）（中島茂社長）に提供すると発表した。これを機に、同サービスの海外展開を本格的に開始する。

　シンガポールをはじめとするアジア・パシフィックの各国/地域では、日本人など国外からの観光客が増加している。一方、現地で日本語を話せるガイドの数は限られ、観光シーンでのコミュニケーションに課題を抱える。そこで、富士ゼロックスは、現地の自治体や企業などが多言語で音声観光ガイドを作成・配信でき、観光客が日本語や英語でそのガイドを聞くことができるSkyDesk Media Trekを提供することで、現地でのインバウンド対応を支援する。

　SkyDesk Media Trekは、再生したい内容をテキストで入力するだけで日本語または英語に自動で音声が合成され、簡単に音声コンテンツを制作できるのが特徴。その他の言語も個別に音声データを作成することで対応可能なため、多言語で案内するツールとして活用できる。テキストの入力など、コンテンツ制作のためのツールは、クラウドサービスで提供するため、専用の設備投資をすることなく、ブラウザから簡単に利用できる。

　作成・登録した音声ガイドコンテンツは、スマートフォン用の専用アプリから、利用者がいつでも自由にダウンロードすることが可能。ダウンロードしたコンテンツは、スマートフォンのGPSと連動して指定された場所で自動的に再生されるため、複雑な操作をすることなく、ガイドを聞くことができる。これにより、利用者はあたかも観光ガイドが同行しているかのように音声情報を聞きながら旅を楽しむことができる。

　日本旅行では、今後、シンガポールに訪れる日本人旅行客や、修学旅行の学生向けに同サービスを通じた観光ガイド情報を提供していく予定。

　また、富士ゼロックスでは、同サービスをアジア・パシフィック各国/地域で順次展開する予定。同地域を訪れる観光客の言語の壁を越えたコミュニケーションをサポートするとともに、観光産業の発展に貢献していく考え。