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兼六園の風物詩「雪吊り」を終えた冬の金沢で、週刊BCNがセミナーを開催
2016/11/11 22:02
基調講演は、クラウド利用推進機構 運営委員の渥美俊英氏が登壇。「最新動向と事例から知るクラウド利用の進化と真価」と題して講演した。
クラウド利用推進機構 運営委員の渥美俊英氏
AWS(Amazon Web Services)のエバンジェリストを務めていた渥美氏は、AWSをベースにクラウドの最新動向を紹介。クラウドの価値、セキュリティ、金融機関でのクラウド活用などを紹介した。
まず、渥美氏は「クラウドは“安い”“代替”ではない。システム全般に及ぶ機能と価値を提供する」と説明。クラウドには、提供する機能の多さ、新機能の展開スピードなど、これまでにない価値があるとした。
クラウドではセキュリティを不安視する声も多いが、「多くのユーザーの要望に応えてきているのがクラウド。監査まで含めて、安全安心な仕組みを提供している」と、安全性について語った。また、金融機関でのクラウドについては、むしろクラウドを採用する傾向にあるとし、「国際競争力、コスト削減の観点からクラウド活用の方向にある」と語った。こうしたメリットから、クラウドの活用を進めていくべきとして、最後に「クラウドを乗りこなして、ITでもビジネスの変革を」と、参加者に呼びかけた。
セッション1では、「総デジタル時代を生き抜くヒントとは ~成長し続けるITビジネスを考える~」と題し、SAPジャパン パートナー統括本部 パートナー開発本部長の亀田俊氏が登壇。SAPは従来のオンプレミス型ERP中心の製品ポートフォリオを刷新、クラウドベンダーへと大きく舵を切っていて、「SAPの事業は、売り上げの半分近くをERP以外のサービスや製品が占めている」とし、それぞれの製品やサービスについて説明した。一方、ERPの最新製品「SAP S/4HANA」については、「見える化のERPから、企業を動かすためのERPに変わった」と紹介。そのうえで、「さまざまな製品があるので、何か興味のある製品があったら、ぜひお問い合わせいただきたい」と参加者に呼びかけた。
セッション2では、「次世代ファイアウォール/UTM『Clavister(クラビスター)』のご紹介 ~アプライアンス、仮想、IoT、組込型UTMビジネスを見据えて~」と題し、キヤノンITソリューションズ セキュリティソリューション事業部の柳澤直樹氏が登壇。身代金を要求するという新型ウイルスとして話題のランサムウェアについて解説。また、フィッンシングサイトや標的型攻撃などの動向も紹介した。こういった情報セキュリティ対策に有効なのがUTM製品「Clavister」で、柳澤氏は「自社開発のファームウェアで、サイズがとても小さい。そのため、起動が早い。監視カーネルが独立していて、万が一のダウン時でも即座に再起動できる」など、製品の特徴をアピールした。
セッション3では、「デルの新パートナービジネス戦略 ~デルだからできる事、パートナーの皆さまと創る新たなビジネス~」と題し、デル パートナー事業本部 マーケティング本部 シニアアドバイザーの粟津和也氏が登壇。まず、EMCと合併し、製品ポートフォリオが拡大したことを報告。国内の取り組みとしては、「サポートに力を入れていて、宮崎のサポートセンターでは300人体制で対応している」として、保守サポートに注力していることを紹介した。そうしたなかで、デルはグローバルの方針として、パートナービジネスに投資していることを紹介。「2018年までにパートナービジネスを50%拡大させる」として、パートナー制度について説明した。また、製品シェアが上昇傾向にあり、なかでもハイパーコンバージドインフラとセキュリティ関連が伸びているという。そのうえで「ぜひお声掛けいただきたい」と、協業を呼びかけた。
セッション4では、「国産NASヘッドを利用したデータ共有とデータ保護アプライアンス製品のご紹介」と題し、アーク・システムマネジメント代表取締役の日吉孝浩氏が登壇。システム構築の経験から、「ミッドレンジクラスのNASが必要となったが、市場にはないため自社開発した」、と同社製品の開発経緯を説明。そのため、同社のNASはハイエンドNASと低価格NASの中間のポジションにある。ミッドレンジという導入のしやすさに加え、バックアップ/リストア機能を備えているため、難しい設定が不要で導入後すぐに運用できる。日吉氏は最後に「販売形態は、アプライアンス、NASヘッドのみ、OEM仕様での供給を用意している。ぜひ、ご検討いただきたい」と、アピールした。
セッション5では、「データ移行・連携時の変換&加工に関する『困った』を解決!~ExcelからDB、メインフレームデータもノンプログラミングで簡単データ変換~」と題し、データ・アプリケーション 開発支援ソリューション本部 RACCOONグループ グループマネージャの山根友氏が登壇。データの移行や連携を容易に実現するパッケージ「RACCOON」を紹介した。同パッケージは、ノンプログラミングで設定ができ、豊富な文字コードに対応している。山根氏は、活用事例を三つ紹介。一つは、Excelファイルを使っている業務の効率化。一人で3日かかっていた複数のExcelファイルを使った集計やデータ加工の作業を瞬時に終えることができたという。二つめは、ホストデータの移行。データ移行をスピーディに実施することで、オープンシステムの移行をサポートした。三つめはデータ連携。多くのシステムは、データ連携を想定したつくりになっていないため、トラブルが発生しがち。それをRACCOONで交通整理し、連携を実現した事例を紹介した。最後に山根氏は、「当社はデータ活用を推進していくのが使命。ぜひ、お声がけいただきたい」と、協業を呼びかけた。
最後に主催者講演として、週刊BCNの編集長、畔上文昭が「IoTから始まるデジタルトランスフォーメーション」と題し、クラウドやビッグデータ、IoT、AI(人工知能)といったキーワードの相関関係などを紹介しながら、デジタルトランスオーメーションについて解説した。
休憩時間とセッション終了後に名刺交換会を実施。講演者と参加者、また参加者同士の情報交換で盛り上がった。なお、週刊BCNは今後も「ITトレンドセミナー」シリーズを全国主要都市で開催することを予定している。
金沢市を中心に北陸地域から多くのSIerとリセラーが参加した
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外部リンク
SAPジャパン=http://go.sap.com/japan/index.html
キヤノンITソリューションズ=http://www.canon-its.co.jp/