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組込み総合技術展2016の概要発表、IoT展併催でSIerの来場伸びる見込み
2016/08/26 22:02
ET/IoT Technology 2016の概要を発表する山田敏行・実行委員長
ETは、マイコンと開発ツールの展示会「ツールフェア」として1987年に始まり、2002年より現在の名称での開催となっている。半導体、ボードコンピュータ、組み込みOS、ミドルウェア、通信モジュール、開発環境など、組込みシステムを構成する技術の総合見本市として回を重ねてきたが、組込みシステムと関連の深いIoTに注目が集まっていることから、IoTの展示会となるIoT Technologyを昨年初めて開催した。ここでは技術のみならず、顧客の事業に変革をもたらす具体的なIoTアプリケーションの展示に重点を置き、よりビジネス志向の強いイベントとなっている。なお、ETとIoT Technologyはパシフィコ横浜の同じ展示ホール内で一体的に開催されている。
昨年の来場者アンケートの結果によると、SI/情報サービス業に従事する人の割合は、ET 2015が2.0%だったのに対して、IoT Technology 2015では8.1%と、顕著な差が見られた。職種別でみても、IoT Technology 2015にはET 2015に比べて営業、マーケティング、経営企画などに携わる担当者が多く訪れたという。
昨年のIoT Technology 2015では、ET 2015に比べSIerや通信系の来場者が多くを占めていた
ET 2016の実行委員長を務める山田敏行氏(日新システムズ執行役員)は、「従来はマイクロコンピュータを中心とした展示会だったが、IoT Technologyの開催によって、データの処理やクラウドとの接続に関する内容が大きく増えた。各ベンダーともビジネスをどのように変革していくか悩むなかで、IoTを単なる技術としてではなく、新たなビジネスや付加価値を生む要素として捉えているのではないか」と分析。競合に対する優位性を確立するためにIoTに注目するSIerが、今年も多数来場すると期待している。
一方、これまでET出展社の中心を占めていた組込みシステム開発ベンダーも、今回の展示会のような場を通じて、業務系のSIerとの協業を模索しているという。携帯電話やカーナビといった、ハードウェアと密接なシステムのビジネスが低迷するなか、組み込みベンダーもIoTに活路を見いだしているが、IoTソリューションではクラウドとの接続性やセキュリティの担保など、従来、組み込みベンダーが触れる機会の少なかった領域にも取り組む必要があり、それらの技術に慣熟したSIerとのパートナーシップが求められるシーンが増えているためだ。
今年のETは第30回の節目となるため、業界トップ企業のキーパーソンによる特別記念講演を計画しているほか、開催記念レセプションも規模を拡大して盛大に行う予定。また、センサ・センシング技術と、データ活用技術の専門パビリオンを設置するほか、IoTハッカソンを開催するなど、IoT関連技術に重点を置いた企画も計画している。
組込みシステム技術協会では、ET 2016とIoT Technology 2016あわせて400社・団体の出展、3日間で25000名の来場を見込んでいる。
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