日本IBM(ポール与那嶺社長)は5月26日、九州におけるオープン・イノベーションの創出を推進するプログラム「イノベート・ハブ九州」を6月に開始すると発表した。ワークショップやハッカソンなどを通じ、九州発のコンテンツや地域の暮らしに関するオープンデータ、地元企業のノウハウやアイデアなどと、IBMのクラウドサービスやコグニティブ技術をはじめとするITを活用することによって、イノベーションの創出を目指す。
武藤和博
常務執行役員
IBMシステムズ・
ハードウェア事業本部長 日本IBMの武藤和博・常務執行役員IBMシステムズ・ハードウェア事業本部長は、「九州はアジアに近い。九州へ行くとそれが実感できる。“風は西から吹く”といわれる。九州からグローバルへ。世界を変えるイノベーションを九州で創出したい」と語り、自身も九州出身ということから、笑顔の絶えない発表となった。九州におけるIBMの活動は、1952年のパンチカードシステムから始まり、定期的に九州フォーラムを開催してきたこともあって、今回のプログラムは社内外で九州から始めたいとの声が多かったという。
古長由里子
クラウド・マーケティング
理事 イノベート・ハブ九州では、九州とアジア各国の企業や人材が交流する場の形成についての支援も行う。「海外を意識した活動ができるプログラムにしたい。そのために海外との交流を積極的に行っていく」と、日本IBMの古長由里子・クラウド・マーケティング理事は意気込む。
日本IBMはまた、イノベート・ハブ九州が同社のクラウドサービスやコグニティブ技術に精通したエンジニアの育成につながることを期待している。「新規需要の芽が育てば、そのベースにIBMのクラウドやコグニティブ技術が活用されることになる」(古長理事)。いずれは他の地域にも同プログラムを展開していく考えだ。(畔上文昭)