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関電システムソリューションズ 電力CIS「NISHIKI」がKDDIの「au でんき」で採用 NECと共同で導入サポート
2016/06/02 19:12
週刊BCN 2016年05月30日vol.1630掲載
KDDIは、4月からの電力小売り全面自由化にあわせて「au でんき」のブランドで電力小売り事業に参入、全国に展開している。NISHIKIは、電気料金計算などの業務で採用され、KDDIの基幹システムとの連携も実現している。
代表取締役常務
エネルギービジネス事業本部
本部長
KS-SOLは、親会社である関西電力の約1300万件の顧客を支えるシステムを開発してきたノウハウを生かして、NISHIKIをパッケージ化。「国内の電力系システム開発子会社のなかでKS-SOLが唯一、電力CISを外販している」(萩原常務)とのことで、電力小売り事業への参入に関するコンサルティングからサポートまでできる点を強みとしている。主な機能として、電力小売り事業者の契約切替の際に必要な電力広域的運営推進機関への手続き、電気料金計算などの機能を装備。オンプレミス環境向けの提供と、同社のデータセンターを活用したクラウド型サービスとしての提供にも対応している。KDDIでは、規模が大きいことと基幹システムとの接続などを考慮して、オンプレミス版が採用された。
KDDIへのNISHIKI導入を共同でサポートしたNECとは、共同のマーケティングに加え、新電力参入事業者に対して全国規模で営業展開を進めていく。
また、KS-SOLは5月18日、販売代理店の拡大を発表。新たに伊藤忠テクノソリューションズ(菊地哲社長)とNECソリューションイノベータ(毛利隆重社長)とNISHIKIの販売代理店契約を締結したことを発表した。「NISHIKIでは、基幹システムとの連携などのアドオンの開発が必要となる。販売パートナーには、NISHIKIの販売に加え、そうした部分のシステム開発という面でユーザー企業をサポートしていただくことも期待している」と萩原常務は考えている。販売パートナーとしても、NISHIKIの販売によって、システム開発の案件を受注できるというメリットがある。
今後の展開について、萩原常務は「現在では顧客数が1万以上を想定しているが、数千というような小規模の新電力会社に対し、クラウドサービスを提供できるようにしたい。また、ガスや水道への拡張を検討している」と語る。とくにガスは、来年4月に自由化されるため、注目度が高い。ただ、電力よりも参入障壁が高いため、どのように取り組むかは慎重に検討していくとしている。(畔上文昭)
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