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米ネットスイート「SuiteWorld 2016」、過去最大の8000人が参加、成長し続けるクラウドERPのパイオニア
2016/05/19 19:12
クラウドERPのパイオニア的存在であるネットスイートは、過去のSuiteWorldで、既存の大手ERPベンダーを、「古いアーキテクチャとビジネスモデルで成長が鈍化した時代遅れの存在」といわんばかりに批判し、自らの先進性を強くアピールしてきた。しかし近年、基幹系システムにもクラウド化の波が到達し、独SAPや米オラクルをはじめとする有力ベンダー各社が、こぞってクラウドを前提にアーキテクチャを刷新した新しいERP製品を世に出し、拡販に注力し始めている。そうした変化が起こっているなかで、「クラウド」を競合との最大の差異化ポイントとして成長してきた米ネットスイートが、同イベントを通じてどんなメッセージを打ち出すのか、市場の注目を集めている。
ネルソンCEOも、基調講演の冒頭、「ネットスイートを創業した当初、クラウドでERPを提供することは(マーケットの大半に)受け入れられなかったが、状況は変わった」と、とくにこの1~2年ほどでERP市場全体がクラウドに急速にシフトしている状況を指摘。そのうえで、一貫してクラウドだけでアプリケーションを提供してきたネットスイートが、成長率で競合を圧倒し、グローバルで有数のビジネス規模を誇るERPベンダーになっていることを強調した。
「2015年12月期の売上高は7.41億ドルで、前期比33%の増収。今期の売上高予測は9.67億ドルで、10億ドルに届こうとしている。米ガートナーの調査によれば、ネットスイートの市場シェアも、14年に8位だったのが、15年は6位にランクアップしている。さらに、当社のシェア伸び率は45%と他社を圧倒している。ちなみにSAPはマイナス12%だ」。例年、トップベンダーのSAPに対して厳しい批判を浴びせてきた“ネルソン節”は今年も健在だ。
一方、ネルソンCEOの後に登壇したゴールドバーグ会長兼CTOは、アプリケーションそのものよりも、開発プラットフォームこそがネットスイートのコアであり強みであることを訴えた。これにより、「一貫した同じコードベースでも、顧客のビジネスの変化に合わせた次世代の機能を継続的に開発・提供していける」とし、特定業界向けのソリューション構築も容易で、幅広いニーズに応えられる多様なサードパーティのソリューションを提供するパートナーエコシステムを実現していることなどを、ネットスイートならではの価値として説明した。 なお、SuiteWorld 2016の模様は、『週刊BCN』紙上で詳報する。(本多和幸)
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