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中国国家発展改革委員会 互聯網+人工知能三年行動実施方案の制定 産業界の連携を強化

2016/04/21 19:11

週刊BCN 2016年04月18日vol.1625掲載

 「2016、中国深センIT領袖峰会」に参加した国家発展改革委員会(発改委)高技術産業司の孫偉副司長は3月27日、「互聯網+人工知能(AI)三年行動実施方案」制定に向けて、急ピッチで動いていることを明らかにした。AIが社会全体のスマート化レベルを引き上げ、中国IT産業の発展に貢献できるとした。

 中国はAIを次世代の成長原動力に育て上げるため、国、学界、企業などが一丸となり、AI研究に注力している。2016年は、新たに第13次五か年計画が始まった。計画では、AIを国家主要戦略の重要分野として選定している。昨年の「中国製造2025」、「互聯網+」の二大国家戦略においても、積極的にAIを育成する方針を示している。4月6日には、工業和信息化部(工信部)、発改委、財政部が共同で「機器人(ロボット)産業発展計画(2016~2020年)」を発表した。同計画の主要ミッションは、スマート製造、スマート物流、スマート生活・サービスなど、関連産業のスマートロボットの製造やロボット部品製造企業の育成、AI産業インフラの構築が含まれた。さらに、製造業や災害救援、医療などの重点サービス領域向けのシステムインテグレータ、サービスプロバイダを育成する。3月には、中国最大の工業都市瀋陽の産業園の建設に向け、中国科学院(中国最高学術機構)のスマートロボット研究室と北京大墨科技有限公司の調印式が行われた。投資規模は40億元(約700億円)にのぼる。

 「互聯網+人工知能三年行動実施方案」の制定には、発改委を始め、工信部や学界と企業のAI専門家が参加した。知的財産権調査機関PatSnap特許データベースによると、中国のAI分野での特許出願件数は6900件で米国に次いで多い。そのなかでも、中国インターネット企業トップ3社のバイドゥやアリババ、テンセントが激戦を繰り広げていて、AI分野への投資、技術力強化を図っている。13年、バイドゥはIDL(Institute of Deep Learning)研究院を創設、14年、アリババはIDST(Institute of Data Science&Technologies)部門を新たに設立、テンセントは人画像識別APIを開放するなど、中国AI市場をけん引する。

 中国証券投資コンサルティング企業広証恒生によると、昨年、AI分野への投資規模が14億2000万元、前年同期比71.4%増の高成長だ。20年までに、中国AI市場規模は91億元に達するとし、グローバル全体の10%を占めると予測した。(文/鄭麗花)

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