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上海データ取引センターが設立 企業のビッグデータ活用を促進 年内には中国各地で15~20の取引所が新設
2016/04/21 19:11
週刊BCN 2016年04月18日vol.1625掲載
ビッグデータ取引所では、複数の企業間で行うデータ売買の仲介を行う。上海市は、市内に登記された企業のデータベース(DB)や人口DB、地理空間DBに加え、世界最大規模の医療ネットデータ共有システムや、4800万枚の交通カードデータ、毎日30GBが蓄積される交通移動データ、証券取引データ、貨物・コンテナデータなどを有している。上海データ取引センターでは、こうした政府関連データや、企業が保有するデータの取引プラットフォームを提供していく。
取引にあたっては、セキュリティ面を考慮し、データは個人情報などが特定されない形に加工したうえで、暗号化してやり取りする。また、上海データ取引センターは、法人向けの会員制となっており、入会にあたって、データ管理・リスクコントロールに関して厳密な審査を行う予定だ。中国の地場企業だけでなく、外資系企業も入会することができる。個人は対象外。
中国では、国務院が昨年9月に「ビッグデータ発展促進行動要綱」を公表し、全国レベルでビッグデータ活用を進める方針を示して以降、ビッグデータ活用の機運が高まっている。中国初のビッグデータ取引所として昨年5月に営業を開始した貴陽ビッグデータ取引所(GBDEX)では、同年末までに約300社が会員登録し、取引総額は約6000万元を記録した。中国政府によると、2016年内には中国の各地方政府主導で、さらに15~20のビッグデータ取引所が設立される見込みだ。
また、上海データ取引センターが設立された市北高新技術服務業園区は、上海市初となる「ビッグデータ産業基地」に指定された。1992年設立の同園区は、10年に上海市初の「クラウド産業基地」に指定されており、先端IT分野の企業誘致を積極的に行っている。すでに浪潮集団など、約150社のビッグデータ関連企業が進出しているという。現在も大規模な拡張を進めている同園区では、上海におけるビッグデータ産業の集積エリアとなることを目指す。
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