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Arcserve Japan 統合型バックアップに新規顧客からの需要あり 仮想化移行でアプライアンスが好調

2016/03/31 19:08

週刊BCN 2016年03月28日vol.1622掲載

 Arcserve Japan(江黒研太郎社長)は3月10日、国内の販売パートナーを対象にしたパートナーカンファレンスを開催し、来日した米国本社CEOのマイク・クレスト氏が新製品や今後の販売戦略について説明した。

米Arcserve
マイク・クレスト
CEO
 ArcserveはCA Technologiesから2014年8月に独立し、現在はバックアップ/リカバリソリューションの専業ベンダーとして事業を行っている。クレストCEOは、「顧客やパートナーにより近いところで意思決定ができるようになるとともに、独立によってより強力なブランドアイデンティティを確立することができた」と話し、単独の法人となったことがビジネスに大きなプラスの影響を与えていると説明する。

 バックアップソフト自体は新しい製品カテゴリではないが、他社製品からArcserveへの乗り換えや、新規顧客による導入はむしろ加速しているという。クレストCEOは「システム管理者が複雑性に疲弊していることが最大の問題だ。企業のなかでは、物理環境や仮想環境のうえにさまざまなシステムが存在するが、システムごとに異なる製品でバックアップを行うと、製品に払う費用が高額になり、運用コストも増大する」と指摘。この問題に対して同社は、主力の統合型製品「Arcserve UDP(Unified Data Protection)」を提供し、物理/仮想混在環境においても、単一のコンソールを通じてバックアップ/リカバリの運用を行うことができる点が強みとなっているという。

 また、中堅・中小企業でも仮想化やクラウドの導入が本格化しているが、Arcserveは「エンタープライズレベルの機能と可用性を、手頃な価格で提供できる」(クレストCEO)コストパフォーマンスの高い製品のため、中堅・中小企業でITインフラの更新が発生する際に検討されるケースが増えているとしている。

 直近では、中規模環境に向けて発売したアプライアンス製品「Arcserve UDP 7300」が好調だ。ラックマウント型サーバーにArcserve UDPと大容量HDDを搭載したもので保護対象のマシン数を問わない無制限ライセンス体系を採っていることから、物理環境から仮想環境へ移行しても追加のライセンス費用がいらないのが特徴。アプライアンス製品の納入先は多くが新規ユーザーで、パートナー各社からは顧客開拓のツールとしても重宝されているという。

 国内で完結するサポート体制の構築にも力を入れており、日本法人のサポートセンターに寄せられた問い合わせの96%に対して即時解決を提供できているといい、クレストCEOは「日本語サポートの質では負けることがない」と胸を張る。Arcserve UDP 7300は日本国内で開発するなど、日本市場で要求される機能や品質を取り込むためには、時間と費用を惜しまず投入する姿勢を強調した。

 同社は米国発のITベンダーだが、商流は100%パートナー経由の間接販売としており、「会社全体がチャネルエコシステムに合わせた形になっている」(クレストCEO)。パートナーにはサポートや無償の技術トレーニングを手厚く提供するとともに、営業・マーケティング面でも支援を充実させ、「パートナーがスムーズに取引を増やしていける環境をさらに整えていく」(同)としている。(日高 彰)
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外部リンク

Arcserve Japan=http://www.arcserve.com/jp