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ワークスチャイナ 人工知能型ERP「AI WORKS」の販売開始 営業体制は年次倍増を計画

2016/03/31 19:08

週刊BCN 2016年03月28日vol.1622掲載

【上海発】ワークスアプリケーションズ中国現地法人の上海万革始応用軟件(ワークスチャイナ、五十木正董事長)は3月11日、人工知能型ERP「HUE」(海外名称:AI WORKS)の中国市場での販売を開始した。営業体制は現状の10人から年次で倍増させていき、日系企業・ローカル企業を問わず広く拡販する。3年後にはワークスアプリケーションズの売上高10%を中国で担う計画だ。(真鍋 武)

五十木 正
董事長
 「HUE」(AI WORKS)は、ワークスアプリケーションズが独自開発した次世代型ERP。一般的なERPとは異なり、データベース(DB)にはリレーショナルデータベース(RDB)ではなく、グーグルなどのクラウドサービスベンダーがコア技術としている分散キーバリューストア(KVS)を採用し、低コストで負荷分散と高可用性を実現した。

 また、ユーザーの入力業務を最小化するために、サポート機能を充実させている。例えば、サジェスト機能を搭載し、キーワード検索や各種データ入力の際には、入力でなく選択する形で操作できる。HUEは、大量のログデータをもとに自己学習するため、サジェストの精度は利用するごとに高まっていく。

 中国では、「圧倒的な業務効率化」と「ノウハウの即時継承」を訴求ポイントに掲げる。中国の企業には、日本と比べて従業員の離職率が高く、業務ノウハウが定着しづらいという事情がある。新たな人材の育成にも時間とコストがかかるため、多くの企業にとって課題となっている。「HUE」は業務ノウハウを吸収し、従業員の判断を間接的にサポートしてくれるため、こうした企業でも容易に業務の引き継ぎが行え、業務効率化を実現する。

 中国市場では、ターゲットは絞らず、煩雑な会計・人事業務に課題を抱えている従業員数の多い企業を重視して開拓する。既存のERP「COMPANY」と同様に、基本的な販売戦略は直販によるノーカスタマイズ・無償バージョンアップでの提供となる。販売開始に合わせて、3月11日には日系企業向けセミナーを開催し、約30人を集客した。今年5月には、ローカル企業向けのイベントに参加し、本格的な現地市場の開拓を開始する予定だ。

 拡販に向けた体制整備も進めている。ワークスチャイナには現在、約160人が在籍しているが、年内には200人を超える予定。五十木董事長は、「中国の営業体制は、今のままでは不十分だと考えている。今後、人員は倍々で増やしていく。3年後には40人程度の営業体制で、ワークスアプリケーションズの売り上げの10%を中国が担うことを目指す。中国市場はそれほどのポテンシャルがあると考えている。その先の5年後、10年後には、人員数も売り上げもさらに伸びるだろう」と今後の構想を語る。
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