ニュース
週刊BCNとビットアイル、SIer向けに外部データセンター活用セミナーを開催
2015/09/16 19:03
冒頭の講演では、週刊BCN編集長の畔上文昭が「SIerはこの先5年がおもしろい!」と題し、SIerの動向とこの先5年で盛り上がってくると考えられる取り組みなどを紹介した。
次に登壇したのは、ビットアイルの高倉敏行・執行役員 事業開発推進室長。「クラウド時代を勝ち抜くSIビジネスとは ~既存SIからの脱却と、事例から見る成功パターン~」と題し、ユーザーのビジネス環境やテクノロジーの変化が、SIerにどのような影響を与えるのかについて解説した。
ユーザー企業は、ビジネス環境の変化に対応するために、ITに対して柔軟性やスピードを求めている。そのための最適解の一つが、クラウドだ。ただし、「パブリッククラウドは決して万能ではなく、プライベートクラウドやオンプレミスなどとのハイブリッドな使い方が求められている」(高倉執行役員)ことから、クラウド活用はハイブリッドクラウドが本命であるとした。実際、パブリッククラウドには多くのメリットがある一方、直面する問題も明らかになってきている。「すべてをパブリッククラウドにするのではなく、システムの特性にあわせて活用するほうが、メリットを享受できる」と、高倉執行役員は語った。実際、ビットアイルのユーザーにおいても、パブリッククラウドとコロケーション(専用環境)を組み合わせるといったハイブリッドクラウド環境で運用しているケースが約30%になっていて、増加傾向にあるという。
SIerにとってデータセンター(DC)は、ユーザーのシステムを預かる場所であり、IaaS/PaaSなどのサービス基盤を構築・運用する場所、そして、IaaS/PaaSを活用することで仮想DC化する場所である。ここでポイントとなるのが、SIerは自社でDCを運用するべきかどうかということ。高倉執行役員は、ビットアイルなどのDC専門業者に任せるべきだと説明した。「DCはSIerがサービスを提供するうえで、ミッションクリティカルではあるが、コア(差別化を生み出す業務)ではない」。巨大なデータセンターニーズがない限り、自社DCの運用は経済合理性が低く、メリットが少ないというわけだ。
ビットアイルは、国内に合計7500ラック規模のデータセンターを保有している。東京五輪を控えていることもあって、2020年までは同等のDCが建設される見込みはないという。高倉執行役員は、「14年の運用実績という信頼性があり、すぐれた立地とパブリッククラウドとの接続性のよさなどをアピールした。
ビットアイルはパートナー企業を積極的に募集していることから、高倉執行役員は最後に協業のメリットや既存パートナーとの協業モデルなどを紹介し、講演を終えた。セミナー後の懇親会では、参加者が情報交換を積極的に行い、SIerの課題やクラウドへの取り組みといった話題で大いに盛り上がった。
- 1
関連記事
米エクイニクス、ビットアイルに対して株式公開買付け、買収価格の総額は333億円の見通し
ビットアイル、ソネットが「ビットアイルクラウド Vシリーズ」などを採用と発表