【上海発】華為技術(ファーウェイ、徐直軍・輪番CEO兼取締役副会長)は、ソフトバンク(孫正義社長)と、次世代移動通信技術の共同研究開発に関する覚書を締結した。ソフトバンクの通信ネットワークを活用して、ファーウェイが提案する4.5世代の移動体通信技術「TDD+」の実証実験や技術評価、研究開発を共同で行う。
汪涛
ワイヤレス・ネットワーク
プロダクトライン担当
プレジデント スマートフォンやタブレット端末の普及によって、モバイル・ネットワークのトラフィック量は急速に増加しており、今後もIoT(Internet of Things)の技術革新に伴って、ネットワークに接続するデバイスは増加していく見込みだ。ファーウェイが提案する「TDD+」は、LTE通信の主要方式として採用されているTDD(時分割複信)技術を進化させたもの。汪涛・ワイヤレス・ネットワーク プロダクトライン担当プレジデントによると、「TDD+」ネットワークは1km2あたり100万個のデバイスを接続することが可能で、Gbps級の通信速度を実現し、ネットワーク遅延も10m秒以下に抑えられる。例えば、6GBのビデオをダウンロードする時間は、4Gネットワークが7分かかるのに対して、「TDD+」はわずか24秒で終えられるという。
ファーウェイは、中国では中国移動(チャイナモバイル)、日本ではソフトバンクと共同で「TDD+」を研究開発する。汪・ワイヤレス・ネットワーク プロダクトライン担当プレジデントは、「2016年に商用化を実現したい」としている。(真鍋武)