デル・ソフトウェア(中村共喜社長)は、ビッグデータ分析ソリューション「Statistica(スタティスティカ)」日本語版の販売を始めた。まずは、2013年からリセラーとしてStatisticaを手がけてきた東芝電子エンジニアリングと共同で拡販を図る。
デル・ソフトウェア
中村共喜社長
Statisticaは、2014年3月にデルが買収したスタットソフトの製品で、大学、研究機関、メーカーの製造現場などで多くの採用実績があるという。具体的な製品ラインアップとしては、エントリーレベルの統計解析ソフトである「Statistica Base」、ミッドレンジ向けの「Statistica Advanced」、最新のデータマイニング手法を提供する「Statistica データマイナー」、データマイナーの分析機能を高度化した「Statistica データマイナー+プロセス最適化」、高度な分析機能とスケーラビリティを備えた「Statistica Enterprise」の5製品を揃える。
中村社長は、Statisticaの日本語版について、「これまでの当社の日本でのビジネスは、ネットワークセキュリティやデータ保護系の商材がほとんどだったが、グローバルでは、情報管理系やモバイル、クラウド系のソリューションが占める割合が高い。今回、Statisticaの日本語版をリリースしたことで、いよいよ日本もビッグデータの領域に踏み出すことになる。この新しいビジネス領域を東芝エンジニアリングと一緒に切り開いていく」と、同社における位置づけを説明した。
東芝電子エンジニアリング
藤原淳史代表取締役
東芝電子エンジニアリングは、製造業を主な顧客対象としてツール導入、システム構築、コンサルティングを手がけている。スタットソフトがデルに買収される前から、Statisticaのリセラーとして活動しており、東芝グループに同製品を導入するなど、実績を重ねてきた。藤原淳史・代表取締役は、「生産プロセスや品質の状態を統計解析に基づいて可視化、監視し、これを予知や制御のレベルまで高度化するソリューションを提案しているが、Statisticaはその中核になる技術」と、同製品への注力姿勢を鮮明にしている。デル・ソフトウェアの中村社長も、「東芝電子エンジニアリングには、製造業の高度なノウハウがある。業界ごとの知識、ノウハウがあってこそ意味のあるビッグデータソリューションになる」と評価し、協業の意義を強調した。(本多和幸)